4-2=来客
そう、この日もいつものようにカランカランとドアが--
バタン!!!
開かなかった。
「八雲さまーーーー!八雲さまはいらっしゃいますか!!愛しのわたくし!エリスが遊びに来ましたわよーー!」
「はい、こちらに・・・今日も元気にございますね。エリス様」
エリスと呼ばれた少女。
ふわふわの長い髪に綺麗な青い瞳、透き通る白い肌が特徴の美少女だ。
「あぁ~ん!八雲さま!!吸い込まれそうな真っ黒な黒髪!凛々しく立つお姿!全てを見透かす細い視線!どこからどう見ても素敵ですわ~!!」
「ありがとうございます」
「その素っ気ない態度も素敵ですわ~~!!」
「立ち話もなんですので、どうぞ、こちらの席へ」
「は~~い!」
2人の間に温度感があるように感じるが、
これが2人のいつものやり取り。
「ふん・・・僕もいるのを忘れてもらっちゃ困るんだけどね!」
「あら~これはこれは醜い黒猫さん。ご機嫌麗しゅうございますわ」
「いやいや、エリス・・・無理に挨拶なんてしなくていいんだよ?嫌いなものは目に入れると毒だからね!」
「あらあら~誰も嫌いだなんて言ってないですわ!」
「そうかなー?僕を見るなり怪訝そうに眉毛が引きつってたよ?」
「そんなことありませんわ!私はいつだって誰にだって優しく振る舞えるレディですのよ」
「そんなレディはここにはいないと思うけどな!そこまで言うなら僕の頭を撫でてみなよ!」
「はぁぁ!??どの口がものを言ってますの?わたくしがあなたのような毛むくじゃらを触るわけがないじゃないですの」
「はぁぁ!??誰が毛むくじゃらだって??その口に尻尾ねじ込んで窒息させてやろうか!!」
「やれるもんならやってみなさいよ!!この野良猫!!!」
「野良じゃないもん!!幼女の皮を被ったロリババアには言われたくないね!!」
「だーれーが!!ロリババアですか!その皮ひっぺがしてお父様へのお土産にしてやりますわよ!!」
「やれるもんならやってみなよ!自分が年老いたことも忘れちゃったBBAになんか負けな・・・・・・」
パン!!!!!!!
突如、店内にかしわ手の音が鳴り響く。
「お二人共、そのへんにしておいていただきませんと・・・私も本気で止めなければなりません」
八雲の細い目が鋭く光る。
シャーーーと威嚇しあっていた1人と1匹が蛇に睨まれたカエルの如く、一瞬にして硬直した。
「分かれば良いのですよ」
ふぅ・・・と息を吐き、いつものニヤニヤとした笑顔に戻る八雲。
2人はその傍らで小さく震えていた。




