3-16=現実
「お兄さん!」
「兄さん!」
「大丈夫ですか?」
「しっかりしてください!」
弟に義妹、それに警察の人達の声が聞こえる。
(折角いい夢を見ていたのに起こさないでくれ)
内心はそう思っていたのだがそうはいかないだろう。
こう呼びかけられては騒がしくておちおち寝てもいられない。
私は重たい瞼をゆっくりと開き起き上がる。
「兄さん!!」
「大丈夫ですか?」
「私たちのこと分かりますか?」
起きた途端、さっきよりも声が騒がしくなった。
みんな、何を心配しているのだろう。
「大丈夫だ、大丈夫だ、一体何があったんだ?」
話を聞くとどうやら私は玄関で警察の話を聞いていて急に倒れてしまったようだ。
病院に行って検査した方が良いとか色々言われたが断固拒否した。
私は健康体だ。
警察はまた日を改めて話を聞きに来るという。
「あぁ、、捜索だが、、村のはずれに一本杉があるんだが・・・そこも探してみてほしい。」
夢で見た気がすると付け足すと警察は怪訝な顔をしたが「分かりました」と一言だけ返事をしてくれた。
去りゆく警察に私は言った。
はっきりと覚えているわけではないのだが、
何故かそこに皆がいるような気がしたのだ。
「さてと・・・明日から忙しくなるぞ・・・」
新しい家や職を探して何とかやっていかなければならない。
一応、町がサポートをしてくれるということだが、そればっかりも当てにするわけにもいかない。
村の皆に笑われない為にもしっかり足を地につけて踏ん張らなければならない。
私のこれからは今から始まるのだから。




