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猫カフェ ~ブバルディアの花影~  作者: ことの。
~田舎~
34/167

3-14=さようなら

みーちゃんの答えを聞いてすすり泣く人

泣きそうな顔になりながらも笑顔を崩さない人

それぞれマイナスな感情を押し殺しながらも笑顔を作っていた。





薄々気付いてはいたのだ。


みんなは最後の別れを言いに来たのだと。


最後の最後に笑顔を見せに来たのだと。




「お前ら!!そんな顔じゃおっちゃんがこれから先、元気に生きていけんじゃろうが!

先立つ儂らに出来ることは笑顔で送り出してやることだけじゃけ・・・みんな、最後まで笑顔で見届けんかい!!」


村のみんなの中心にいた人物が声高々に叫んだ。

もう90を超えるおじいちゃんだと言うのに元気いっぱい。

村人達の中心人物でまとめ役。

先々代からずっと村を守ってきた村長である。


「儂らにはもうこれしか出来ん。主がこれから先、ちゃんとその二本の足で立てるように。

主がこっちに来るのはまだ当分先じゃということを儂らは伝えに来たんじゃ!」


「--じぃさん」


「お主はまだまだひよっこじゃからの!

村の皆が居なくなったら寂しくもなるし苦しくもなるじゃろう!

けどの・・・









お主が生きた証は儂ら皆が覚えておるしちゃんとこの土地が覚えとる。

胸を張ってしゃんと生きるんじゃ!!」


そうだ!

頑張れ!

負けるな!


村長が言い放った後、村人たちは口々に声を張る。

それはもう、喉が張り裂けるのではないかというくらいに。


鼻水混じりの声もいっぱい聞こえる。


私もつられてか顔がぐしゃぐしゃになって見せられるようなものでは無い。



しかし、俯かずしゃんと胸を張って。


「おう!!!!!皆!!ありがとう!!!」


今までこんなに大きな声を出したことがあるだろうか、

私の喉も張り裂けてしまうのではないか、

そのくらい大きな声を張り上げた。



するとどうだろう。

皆笑顔のまま少しずつ消えていく。


まずは町外れに住むおばあちゃん。

それに小学校の近くで農家をやっているお兄ちゃん。

駄菓子屋のおばちゃんに小学校の先生。


段々数が減っていき次第に村長が私の肩を叩き消えていった。


皆とても良い笑顔で。





最後に残ったのはみーちゃんにけーちゃん。


「おっちゃん。本当にいろいろありがとうね


おっちゃんの優しさ、しっかり覚えてるよ。


これからも皆に優しいおっちゃんでいてね。」


みーちゃんが言う。


「--ずびっ!おっちゃ・・・会えなくなる・・・のは!・・・ずびっ!嫌だけど・・・僕らのこと・・・忘れんでね・・・ズズっ」


皆が消えていき、やっと状況を把握したのかけーちゃんが鼻水混じりに言う。



私もくしゃくしゃの顔を更にぐちゃぐちゃにして。

「おう!皆も元気に仲良くな!!」


それが精一杯の言葉だった。






「じゃあ、私達も逝くね」

みーちゃんがバイバイと手を振る。




「あ!そうそう!

おっちゃんが折角買ってくれた水鉄砲。

お土産としてもらっていくね!


後、私達は村外れの大きな一本杉のねもと・・・・・・」


途中までいいかけてみーちゃんもけーちゃんも消えてしまった。

私の買った水鉄砲を大事そうに抱えながら。

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