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3-12=真実
「おっちゃん!なんで泣いとるん?」
子供の前で涙を見せるわけにはいかない。
しかし、拭けども拭けども次々と溢れてくる。
ここ数日間で乾ききっていたと思った涙。
もうこれ以上でないのではないかと思えるほど泣いた。
しかし、まだ出るものなのだな・・・
「うるさいわい、ちょっと目にゴミが入っただけじゃけん」
「おっちゃん大丈夫かー?」
けらけらと笑う。
またこの笑顔を見ることが出来るとは夢にも思っていなかった。
「けーちゃん・・・どうして」
「あんな、大きなグラグラの後、急に目の前が真っ暗になってん。そのあとはずっと寒い~!ってなってたんやけど、気づいたら黒い猫がおってん!猫がおっちゃんが寂しがってるから元気づけてくれって言っとー・・・」
「けーちゃん!それじゃ分からないでしょ!
おっちゃんを困らせないであげて!」
いつからそこにいたのだろう。
途中で声を上げたのがしっかり者のみーちゃんだ。
みーちゃんだけじゃない。
しーくんやレンくん、さっちゃんにりっちゃん
それに村の皆もそこにいた。
「おっちゃん。よく聞いて--
---私たちは全員、死んでいるわ」




