3-11=再会
普段であれば駄菓子屋なり学校なり
誰かしらいる。
しかし、今現状、誰も見当たらないのだ。
私は手当たり次第に近くの家々の戸を叩く。
「すみません!誰かいませんか?」
「すみません!誰かいませんか?」
「すみません!誰かいませんか?」
どの家も反応がない。
やっぱり皆死んでしまったのではないか。
私の脳裏に最悪の光景がフラッシュバックする。
「ここじゃ落ち着いて考えることも出来ん」
少しでも落ち着ける場所。
私は工房に向かうことにした。
工房に向かう間も途中にある家々を確認していった。
しかし、覗けど覗けどもぬけの殻。
案の定、人っ子一人見当たらない。
工房につく頃には[この村にはもう人はいないのだ]ということを認識していた。
「--落ち着く必要など、もうないな」
工房のいつもの席。
お気に入りの轆轤の目の前にドカっと腰を下ろす。
そして、あぐらを組み、手をお腹の下あたりに持ってきて組み、目をうっすら閉じる。
いわゆる坐禅をする時によく使われる形である。
坐禅などあまり知らないがこの体制になり大きく深呼吸すると自然と心が落ち着くような気がしてなかなかに好きなのだ。
「誰もいなかったな」
溜息混じりにふぅと一息。
「--ちゃん!またこーぼーにこもって仕事さぼっとるん?」
--!!!!
有り得ない。
居るはずのない声が聞こえる。
あれだけ探したのだ。
あれだけ探して見つからなかったのだ。
居るはずがない。
「おっちゃん!聞こえとーないのーー??
またこーぼーにこもって仕事さぼっとるん?」
今度ははっきりと聞こえ、更に私の背中を叩く。
もう無視することなんて出来ない。
私は目を開け、ゆっくりと声のする方に向いた。
「・・・・・・けーちゃん」




