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猫カフェ ~ブバルディアの花影~  作者: ことの。
~田舎~
23/167

3-3=美酒

山2つを越える頃にはもう夕方になっていた。


一番近くの大きな町に出るためにここまで時間をかけなければいけない。

村の人が外に出るにはなかなかに骨が折れるのだ。


町につくとまずは陶芸の依頼主へ一直線。

今回、注文されたのはぐい呑みと夫婦茶碗。

なんでも、旦那さんへ誕生日プレゼントだとか、そんな記念の贈り物に自分が作ったものを選んでもらえたのは今後のモチベーションにも繋がるし、素直に嬉しいと思う。


届け終わった後は町をフラフラ。

なんせ、滅多に来ることのない都会だ。

普段、村では買えないようなものを調達したり、子供たちへみんなで使える遊び道具なんかも買っていってやりたい。


なぜ自分の子供でもないのにって思うかもしれない。

しかし、私達が住んでる村は本当に小さい村だ。

みんなで育て、みんなで生きていく。

私が小さい頃も近所のおじさんが町に行く度に何かしら買ってきてくれた。

今でもとても嬉しかったのを覚えている。


そして、今度はこうして私がその近所のおじさんになったのだ。

前も、その前の先輩達もきっとそうしてきたのだろうと今の歳になって分かってきた。


今回は・・・そうだな、水鉄砲なんかいいかもしれない。

まだ時期的にはまだ早いが年々熱くなる夏に向けて、前もって買っておくのは良いだろう。

陶芸で臨時収入も得た。

子供たちのために少しくらい奮発しても罰は当たらないだろう。

私は水鉄砲を6丁買って店を出た。


店を出る頃にはもうすっかり日も暮れて

街灯が辺りを照らしていた。

村には街灯も所々にしかないので

夜でも明るく感じる町は私には少し明るすぎると思えてしまう。


弟夫婦のところにつく頃にはもう夜の9時を過ぎていた。

義妹はとてもよく出来た人で私が着くなり食事の用意をしていてくれた。

いつもおどおどして優柔不断な弟には勿体無いくらいだ。


食事の席にはあまり見たことのない銘柄の酒が置いてあった。


【夢の囁き】


これは?と聞くと、市場にはほとんど出回らない酒らしい。

飲みたい気持ちもあるが、泊まる予定ではなかったため丁重にお断りした。

それでも、もう二度と手に入らないかもしれないからと義妹に押し切られてしまい、その日はご相伴に預かることにした。


飲んだ酒は紛れもなく美味い。

芋焼酎が苦手な私でもスイスイ飲めるくらいに美味い。

芋焼酎といったら独特の臭みが付きまとうものなのだが、この焼酎はそれがない。

それどころがどことなく甘くさえ感じる。


絶賛しつつ談笑を楽しんでいると酔いが回ってきたのか段々と睡魔が襲ってきた。


フラフラとしている私を察してか義妹が床の間を用意してくれた。


美味しい食事に絶品の酒。


私は最高の気分で布団に潜ったのだった。

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