13-3=子供
2人が辿り着いた場所。
そこは切り立った崖の上。
そこには小さな石が3つ。
まるで墓石のように綺麗に並べられていた。
「ここは?」
ルルが聞く。
しかし、八雲は答えない。
答えられるわけがない。
なんせ、知らない土地なのだから。
「分かりません・・・ただ、ここが嫌な予感の場所であることは確かです」
八雲も怪訝な顔をする。
正体不明な嫌な予感が全身に重くのしかかるようだ。
「お兄さんたち・・・誰?」
声をかけ、振り返るとそこには小さな女の子。
それと、女の子に手を握られている同じく小さな男の子がいた。
「・・・ん~・・・旅の者とでも言っておきましょうか。この辺に宿はありますか?」
身を屈め、同じ目線になるようにすると
優しく質問をする八雲。
「あるよ!」
「あるよ・・・」
「あっち!」
「あっち・・・」
小さな男女は同じ返答をすると、
同じ様に指を刺し、1件の大きな民宿を示した。
「ありがとうございます」
ニコリと微笑み、礼を言う八雲。
2人の示す宿へと一直線に向かっていった。
しかし、ルルは見ていた。
後ろから八雲についていく際、見えていた。
チラリと後ろを振り返ると2人の男女は
子供らしかぬ嫌な笑顔で見つめ合い、
ニタニタと笑っていた。
それはまるで、何かを企んでいるかのように。