12-13=親友
ひとしきり話し終わってミキは一呼吸。
「こんな感じ・・・ごめんね・・・私のわがままに皆を巻き込んでた・・・」
チラリと友人を見るも、当の友人は下を向いてプルプルと震えている。
その手には力が込められており、拳を強く握っていた。
「ごめん・・・本当にごめんね・・・怒ったよね・・・?」
恐る恐る顔色を伺うミキ。
しかし、友人の行動はミキを驚かせた。
カバッと両手を広げるとミキを抱きしめてきたのだ。
「え?え・・・?なに?」
予想外の反応に戸惑う。
そんなミキの気持ちを放置して友人は泣きじゃくっていた。
「ごめんはこっちのセリフだよー!ごめんねー!!
ミキの気持ちにも気づいてあげられなくて、
何も聞いてあげられなくて・・・
本当にごめんねー!!」
もう、どこから出てきているのだろうかと疑いたくなるくらいに顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにし、ミキを強く抱きしめる。
「なんであんたが謝ってるのよ!
謝らなきゃいけないのは・・・私・・・の・・・ほうなのに・・・」
友人につられてかミキも泣き出してしまった。
そこからしばらくの間、2人は抱き合ったまま涙を流し続けた。
ずっと
ずっと
日が暮れるまでずっと
今まで流せなかった分を全部吐き出すかのように。
「ミキ・・・これからは隠さないで、なんでも言って?」
「うん・・・ありがとう」
「転校したって関係ないよ!私たち親友でしょ?」
「親友・・・そっか、親友・・・うん!
試合は残念だったけど、それ以上に大切なものが分かった!」
「私がいるってこと?」
「それもあるけど・・・それ以外も!」
「????」
ミキの意味深な発言に首を傾げる。
しかし、ミキはそれ以上教えなかった。
「ちゃんと言うって言ったじゃんーー!!」
友人・・・もとい、親友の叫びと共に2人は日常に帰っていく。
ミキはもう迷うことはないだろう。
心強い本当の意味での仲間が傍にいるのだから・・・