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2-8=恍惚
ドドドドドドドドド
教室の中に銃声が鳴り響く。
日常的な光景の中に急に現れた非日常。
嬉々として銃を乱射する少女。
その表情にはうっすら笑顔すら浮かんでいる。
散乱する机
そして、肉の塊となった元人間達
どのくらい撃ち続けていただろうか
ひとしきり撃ち終わる頃には少女は汗にまみれていた
「満足したかい?」
弾倉が空になる頃には教室は元の形を忘れ
見るも無惨な姿に変わっていた
ふと冷静になって辺りを見回す
横たわる元クラスメイト達、教師、
崩れ落ちた机、椅子
復元しようもない程に割れた窓
そして、その真ん中で返り血を浴びて笑っている私
赤く染まった風景に
マシンガンを持った少女が1人と猫が1匹
この異様な光景を私がやったと把握した時、不思議と笑いが込み上げてきた
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
酷い光景だ
これが私が望んだ事?
日常を破壊する事を私は望んでいたの?
そうだとしたらとても幼稚で
とても寂しい
「君は優しいんだね」