2-5=旅立ち
「お待たせ致しました」
机の上に並べられる紅茶とお菓子
「こちら、ローズヒップティーとシフォンケーキのセットでございます」
とても綺麗に作り上げられたカップとティーポット
それとお菓子の乗ったお皿にカトラリー
ケータイでも持っていれば写真でも撮るのに今は手持ちにない。
とても悔やまれる。
ゴクリ
美味しそうな見た目に思わず喉を鳴らす。
「いただきます」
小さいながらも精一杯出た言葉。
こんなにも綺麗に作り込まれているものをいただくのに無言は寧ろ失礼に当たるように思った。
まずはシフォンケーキを1口
程よい甘さが口に広がりふわふわの生地が堪らなく優しい。
口の中にまだシフォンケーキの風味を残しつつ
次にローズヒップティーを1口
少しすっぱい紅茶の味が甘くなった口の中をしっかりと締める。
「ふぅ・・・」
目をつぶって一息つく。
口の中の余韻を楽しみつつ目を開ける。
すると、そこはいつもの見慣れた学校。
そして、私が座っていのは自分の席だった。
一気に血の気が引いていくのを感じる。
通いなれたはずの学校の席。
人によっては楽しい1ページであり
人によっては自分を出せる舞台でもあり
人によっては恋愛の場所であり
人によっては青春を謳歌する時間でもある。
しかし、私にとっては違った。
例えるならば【地獄】である。
行くのも【地獄】
見るのも【地獄】
聞くのも【地獄】
存在すること自体が【地獄】なのだ。
ポツリと自席に座っている私。
渡りの人は談笑するなり
ちゃんと授業をきいているなりしている。
よくある学校の風景である。




