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転移
「…ん、ああ…。」
目が覚めると、自分がどこにいて、どういう状況なのかを確認する。
大和は、自分は今病院にいて、両親やら親族やらが心配してくれている様子を想像していた。
しかし、目に見えるのはかんかん照りの太陽、木造の建物、そして歴史を感じさせるような雰囲気の人たち。
「……は?」
そんなとき、一人、大和に近寄ってきた。
「お前、誰だ〜?」
「………」
大和は、ありえない現状に混乱していた。
「無視か〜、おーい」
混乱から、大和の息が荒くなった。
「はぁ…はぁはぁ…」
そこに、一人の大男が通った。
「どうしたんだ、こいつは」
「あぁ、ダルタニアス様。この少年、様子がおかしいのですよ。病院にでも連れて行った方が…」
「そうだな、とりあえず王立病院へ運ぶ、手伝ってもらえるか?」
「ダルタニアス様の為なら、何なりと」