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ふざけないで頂きたい

作者: 神楽 斎歌

自身が乙女ゲームをしたことがないので、似非ですが

どうぞお楽しみ下さい(o_ _)o

高校の入学式の途中、そこで私はこの世界はゲームの世界とそっくりで、自分の容姿がこのゲームの主人公のものだと唐突に思い出した。


「大変、このままだと私は社会的に死ぬ!! 」


 慌てて帰宅した私、小鳥遊たかなし ひかりはそう叫んだ。

 おかしいと笑われるだろうが、本当なのだ。

この世界はあの社会現象を巻き起こした、クソゲーなのだ。恋愛ゲームのくせに戦闘シーンがあるし、しかも主人公が戦うという意味がわからない事になっている。そして、勝負内容が酷いのだ。女子的に‥‥‥


「どうしよう‥‥‥ メンタルが持たない。もういっそ転校して、ってダメだ。人気ないのに第2段も出していた‥‥‥ 」


 まず、この世界と酷似している『毒舌の魔女』の説明をしよう。

 それは、名前もだが恋愛ゲームの風上にも置けない代物だった。


 まず、主人公が高校に入るところから始まる。ここは、普通だった。そこには、ある変わった風習があった。

 これが、どういう訳か分からない第一段、『5人の御曹子を巡って全ての女子と戦う』もちろん全校生徒の950人の女子を相手にだ。まず、女子の数が多いのに攻略対象はたった5人なのだ。この時点で可能性が1パーセントを下回ることは確実だろう。なにせ、周りはあなたこそ主人公じゃ? と思うぐらい整った顔の人ばかりである、しかも家柄もいいし性格も箱庭育ちのお嬢様方なのでいじめ等のことも考えたことがないようで庶民である特待生の人にも分け隔て無く接してくれるのだ。もちろん例外はあるが………


 こほん、そして、第二段は『お互いの意見が食い違っても暴力ではなく、話し合いで解決をする』だ。これは端からみたら、とても良いと言うだろう。

 しかし、これがメンタルが持たない理由でもあるのだ………

 あっ、言い忘れていたがここは超がつくほどのお嬢様学校である。もちろんお嬢様がたはお金持ちである。だから、超優秀な探偵を使い口喧嘩する相手の家を徹底的に調べ、秘密にしたい事を暴くのだ。これにより倒産した企業ははかりしれず、そういう喧嘩が毎日何故か繰り広げられる学校なのだ。


 これに、最初の風習を付け加えるとライバルを蹴落とすことが容易く出来るのだ。

 まず、口喧嘩に持ち込み相手を徹底的に調べ上げる。

 次に、汚い噂があればそれを利用して相手の会社の信用を落とす。

 最後は、勝手に辞めていく。


 こんなに簡単なふるい落としを見逃す人はいない。


 あっ、言い忘れていたが相手を調べるには学園の許可が必要だが許可しなかった例は無いらしい。


 これで、主人公の苦労が分かっただろうか。主人公は何故か最初から五人の御曹子に好かれており、毎日勝負を持ちかけられてしまうのだ。それを主人公は勘で勝つのだ。

 主人公、庶民だからね。相手の事を調べる探偵を雇えないんだよ~


 まあ、ゲームでは選択肢があったし間違えたらセーブの場所まで戻ればいいしね

 しかし、今は現実なのです。困った………


 しかも、この喧嘩はお互いの過去の恥ずかしいことも赤裸々にばれるのだ。それは、沢山の見学者達によって拡散される。

 そうして、辞めた生徒もいたな。

 かく言う私も恥ずかしい過去の三つや十個は軽くこえている。

 嫌だ~ 本人が忘れている記憶をえぐられるなんて嫌だ~


 よし、逆に考えよう。

 とりあえず950人もライバルがいるなら近づかなければ、ばれないはず………

 そして、今日からイメチェンするのだ!

 クルクルカールの髪の毛をおさげに、バッチリ化粧を薄い目に、そしてコンタクトを眼鏡に


 よし、これで気がつく人もいないだろう。同中もいないわけだしね


 コンコン、部屋の扉からノックが聞こえる


「光ちゃん、今日はすごく早く帰ってきたけど具合がわるいの? 」


 扉が開いて入ってきたお母さんは、私を見て絶句した。


「えっと、どちら様? 」


 今日の小鳥遊家には沈黙が降りる


 ▽▼▽▼▽▼▽▼▽


 はぁ、愛しのヒカリンだった~

 あの後、何か慌ててたけどどうかしたのかしら?

 おっと、私は 桃栄ももなか 優芽香ゆめかといいますわ


 私、なんと転生者なのですわ


 このゲーム『毒舌の魔女』の大ファンで中でもさらりと相手の弱みを無意識で突く小鳥遊 光様には陶酔していましたの~


 だから、ここがゲームの中だと気がついたとき思わず気絶してしまいましたわ

 もちろん、喜びのあまりですわ~


 私は、五人の御曹司には一ミリの感情もありませんが光様いえ、ヒカリンには実際にお会いして罵倒して頂きたいとおもっていますの


 してくれるかしら? あの美声が響かせる激しい罵倒の嵐を


 それを考えるだけで、ああ、気絶してしまいそうよ~

 ハァハァ、ふふふふふ~


「ギャー 優芽香お嬢様がご乱心に! せっかくの美貌なのに緩みまくって不細工に! お嬢様! 現実に戻ってきて下さい! 」


 今日も、桃栄家は騒がしい………


 ▽▼▽▼▽▼▽▼▽


 朝日が差し込み、枕元にある目覚ましがリンリンとかわいらしく鳴る頃、私は目がさえきっていました。

 ええ、眠れなかったのですよ、今日が怖くて………


 よく考えたら私、御曹司達5人との遭遇をやり逃しているのですよね………

 いや、よく考えたら良かった?

 あー、これは別ルートであった気がする

 なんと手順を間違えると攻略対象が増えるという地獄の設定があるんですよ

 詳しく覚えていないことが悔やまれますね~


 しかし、今は頑張って卒業するしか道はないのです!

 このゲームの終わりは卒業式の後に攻略対象からの告白で終わります

 なんと主人公には拒否権はなく複数いた場合のみ相手を選べるのです

 そのため、好感度を考えなしにあげていくとそれによって結ばれる相手が否応無しに決定してしまうのです。


 この事もこのゲームがクソゲーと呼ばれる理由にもなりました

 要するにハーレムは有り得ないのですよ

 現実に成った今、こんなにもありがたいことはないのですがね……… 


 あー、学校行きたくないよ~ 思い出したくなかったよ~

 神様のバカ! 転生させるにしてもこのゲーム以外が良かったよ~


 しかし、行かなければバッドエンドもないのだ

 ちなみにバッドエンドだが、ここでは主人公が誰にも選ばれずにエリート会社員になり、御曹子達を見返すのだ。

 私に言わせれば、エリート会社員になれるだけでもハッピーエンドだと思うんだが、一様このゲームは恋愛シミュレーションゲームなので、結婚せず独り身で終わるのはさすがにバッドエンドにするしかないのだろう


 だから、私はバッドエンドを全力で目指すことを決めたのだ!

 というか、これしか道は無いのだ!


 下手に御曹子に見初められるより、自分で地に足を着けて将来の為に生きるのだ

 そもそも、見初められた方が面倒くさくなる事は間違いが無いのだ

 だって、考えてみて下さい。相手は御曹子ですよ?

 世界が違いすぎて、マナーとかも分からないですし、きっと嫌がらせが半端じゃないですって!


 って思っているのですが、相手に選ばれたくないなんて思ってるとか悟られないようにしないといけないですし、ファンの方々に目を付けられたくないのです。


 誰かこの状況から助けて下さい~


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