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町
どれくらい歩いただろうか。
この長い通路は一向に途切れない。
半場思考放棄を始めた頃、
いきなり光が差し込んできた。
眩しさに目を慣れてくると
周囲を見渡してみた。
果てしない草原と、一本の土色の道。
眼下には大きな町があった。
ようやく着いたのだ。
目的の町に。
やっと一休みできると思うと
体が軽くなった気分だった。
町に近寄ってみると
いかにもファンタジーだと実感させるような
大きな門と、門の左右に
門番であろうものの姿が見えた。
良くあるパターンでは
身分証明書を見せろだとか
言われる事が多いが
意外にあっさりと通してくれた。
犯罪者とかいたらどーすんだよと
シエラは一人ツッコミを入れる。
テキトーに歩いていると街の中央の
少し大きめくらいの建物が見えた。
看板には大きく知らない文字で
何かが書かれている。
知っている文字ではなかったが何故か
読めた。
「冒険者ギルド」
定番物キタとシエラは一人呟いていた。
皆大好き冒険者ギルドへようこそ♪
と書いてあります。




