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獣人の地にて私は  作者: おもち
4/11

成長と夜ご飯

ご飯だよとお母さんに呼ばれたときに私の銀色の目について聞いてみた。


「お母さん、私は竜神王の加護を受けているの?」


私の声は幼くたどたどしい声ではなく、

はっきりとした少女の声だった。

あれ?さっきの私の声と違う…何でだろ?


お母さんは優しげな顔をして言う。


「そうよシエラ。あなたは世界でただ一人の竜神王の加護を受けた者よ。」


予想していた言葉が返ってきた。


「色々聞いていい?」

「ええ、お母さんが知る限りなら」

「加護を受けるとどうなるの?」

「これまで加護を受けた者がいないから分からないのよ。多分能力の上昇とかだと思うんだけど…」


美人猫母は考え込んでいるのは

とてもいい絵になっている。

そういえば何で声が変わっているんだろう。


「お母さん。私の見た目、今どうなってる?」


考え込んでいる母の美しい青い眼を除きこむ。


「シエラ?とっても美人よ?さすが私の子」


お母さんが親バカを発動させ始めた。


「そうじゃなくて何歳くらいに見える?」

「そうねぇ…12、3歳くらいに見えるわよ?」


あれ?

さっき見たときは7、8歳くらいに見えたのに…


「獣人ってどれくらいで大人になるの?」

「だいたい一年くらいよ。生まれて1日から3日は一気に成長するのよ。3歳くらいから15歳位までかしらね。普通は3日かかるんだけどシエラはハーフだからか加護があるからか分からないけれど多分その影響で成長速度が早いのだと思うわ」


なるほど。一気に成長するのか。

道理で声が変わっていると思ったんだ。

ちなみに獣人の寿命は種族によって違うらしく、

天猫族の寿命は200~300年位で、

魔猫族の寿命は300~400なのだそうだ。

そのハーフで、竜神王の加護を受けた私の寿命は

それよりはるかに長いと予想される。

加護ってだいたいそういうものだし。


「そうだわ、夜ご飯にしましょう。お父さんが待ってるわ」


今までに忘れていたと言うように

お母さんが言った。

リビングに行くと、

テーブルで待っていたお父さんが

忘れられていたことに気が付き

少し涙目になっていたが

お母さんと二人でスルーした。

夜ご飯はお母さんお手製のシチューだった。

とても美味しかったです。ごちそうさまでした。


シチューの味を思い出しながら

自分の部屋に行き布団に入って眼を閉じた。

転生初日は特に何も起こることなく終わった。

平和が一番だよね。

いきなり目の前が血の海ですとか嫌だもの。

などと呑気なことを思いつつ眠りについた。

シエラ、それは完全にフラグだぞ…

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