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なるの?

「私の魔王は囚われの姫君という事にして、<魔王>役は私がする。皆は配下の魔物ABC的な配役を頼む……詳しくはこれらの資料を確認してくれ。各自、今すぐ役作りに励め」


 役作りといわれても、正直良く分らないと思いつつも。

 皆は元気良く返事をした。


「「「「はい、メリー様!」」」

「では、計画書件台本を配布する」


 メリーさんは徹夜で作った台本を、皆に配った。

 完徹で製本したそれは、コピー機が城になかったので全てが手書きというあたたかくも切なく、はっきり言えば痛々しいものだった。

 皆は手渡されたそれを目にし、目が熱くなり口が曲がった。


 --これをお一人で……さすが、メリー様!


 皆は泣いてしまいそうになるほど感動しつつも、なぜか同時に発生してしまった笑いを抑えるため、口がぐにゃっと歪んでしまい、<魔王>の配下っぽい悪役顔に自然となった。

 メリーさんの鋭い視線からその顔を隠すために、皆は台本を開き読み始める。

 その熱心な姿に、メリーさんは満足して目を細めた。



 「私は」



 今日から。


 メリーさんは、メリーさんの魔王のために。


 メリーさんが、<魔王>になるのだ。




 「<魔王>、だ」






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