表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/34

めぇめぇさん?

 だが、幸いにも…………幸いにも?

 それを指摘する者は、ここには居ない。


「今、この場にいるのは私と魔王だけです。メェメェなる者が何処にいるというのです?」


 男は長身で均整のとれた体躯に漆黒の飾り気の無い長衣を身につけ、床に届くほど長い艶やかな黒髪に真紅の瞳を持ち。

 容姿は整い美しいが……細く切れ長の目や薄い唇は、異様な白さを持つ肌のせいか怜悧で近寄りがたいものとなっていたが、ここなはまったく気にならなかった。


「メェメェさんはメリーさんでしょ?」

「……メリーはメリーさんであって、メェメェさんになった覚えはありませんが……」


 ここなはここで、この城で暮らして1年間になる。

 この男と……黒く長い髪に、ここなの大好きな苺のケーキの生クリームのような白い肌に、甘酸っぱくて美味しい赤い苺より赤い目をした男……メリーさんと“みんな”と、暮らしている。


 生クリームや苺といった甘く可愛らしい例えとは正反対の位置ある容姿の男だが、ここなはメリーさんが大好きだった。

 メリーさんと“みんな”、メリーさんが“みな”と呼ぶ者達も好きだった。 


「だって、羊はメェメェって鳴くんだってトロ君が教えてくれたの!」

「……トロが、ですか?」


トロ。

その名はここなが考え、“みんな”の中の一人につけたものだ。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ