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番外1【彼女の家事情】
母「いやー、ホントにあの子がこの子に名前つけなくてよかったわ」
母が一匹の茶色い毛の犬を撫で回しながら、呟く。
父「それは言い過ぎだろ。あの子も名前つけるの楽しみにして張り切っていたんだから」
母の発言を聞き止めた父が母を窘める。
母「そうは言ってもねぇ……まったくあの壊滅的なまでのネーミングセンスの無さは誰に似たんだか……ねぇ、銀河群島彗星丸?」
犬は呼んだっ?とばかりに返事をして、父は何も言わず唇を噛み、天井をあおいだ。
父「…………(誰に似たかなんて、すぐにわかるだろ?)」
そんなよくある風景。