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モフッてモフモフ 俺たち チームニャンダバー!悪の秘密結社だニャン  作者: 枝豆子
1章 俺たち悪の秘密結社だニャン

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5 喫茶店の陥落! 秘技グルグルの術と誇り高き腹見せ

 3丁目の喫茶店『いつもの処』

 

 人間の男と女が切り盛りしている。


 黒い飲み物を人間がよく飲んでいる店だ。男と女の店員はどうやら親子らしいという情報を クロッチは、リーダーに報告をしていた。


「クロッチ、ココが例の喫茶店にゃ?」


「はいニャン、リーダー」


 店の裏側には扉が有り、物質を受け取る為のまん丸のお皿が置いてあった。


 ダイフクが、昨日の恐怖を思い出したのか、少し緊張しているらしく、口数が少ない。


「ダイフク、今日は俺も一緒だにゃ」


「安心して、ビビってもいいニャン」


「クロッチ、黙っているダニ ビビらないダニよ、大丈夫、大丈夫ダニ」


 自分に言い聞かせるように、大丈夫と自己暗示をかけるダイフク。


 そして、揶揄うクロッチに対して、ダイフクはプンスカ怒るのだった。


 いい具合にリラックスしてきたようだとリーダーは、思う。


 クロッチは、リーダーを見る。リーダーが、前脚を上げてクロッチに合図を送る。大きく頷いたクロッチが大きく息を吸い込んだ。


「にゃおーーーーーーーーん」


 一際大きく、甘えたクロッチの必殺メロメロな鳴き声だ。ダイフクも、グッと前脚に力が入る。


「相変わらず、年上キラーな鳴き声だにゃ」


「そう言えば、クロッチはお母さんお猫様から良くモテるダニ 人間相手でも有効ダニ!」


 クロッチの必殺技が炸裂した後、裏口の扉が開き、そこから女店員が顔を出した。


『お父さん! 黒猫ちゃんが来た! ミルクあげても良い?』


 店内にいる男店員に、女店員が声をかけている。やはり、親子だと言う情報は正しかった。


「ダイフク! 俺たちも行くにゃ!」


 リーダーも、クロッチに続き甘い鳴き声を出した。


「にゃろん にゃろろーん」


『うわぁ~ 黒猫ちゃん、今日は新しい友達を連れてきてくれたの? そっちの白い仔は、昨日の仔だね? ごめんね、昨日はびっくりさせちゃったね』


「に、にゃーん」


 ダイフクも、ドキドキしながら、頑張って必殺のメロメロな鳴き声を出した。


『お父さん、早く来て 猫ちゃん、いっぱいいるから』


 女店員は、目を輝かせ、店内の男店員を呼んでいた。お猫様の下僕候補に相応しい。


『待たせたな、にゃんこは何処だ?』


『お父さん、こっち、こっち』


 女店員の後から登場した男店員に、3匹のお猫様たちが一瞬固まった。


「ヤバイ、この男出来るにゃ」


「リーダー、俺、体が言う事聞かないにゃん」


「ク、クロッチ、どうしたダニ?」


 男店員は、手にお猫様にとって、魅惑のアイテム、猫じゃらしを持っていた。


『ほーれ、こっちだぞ』


 クロッチをターゲットに決めた男店員は、猫じゃらしを高速でフリフリと動かし出した。


「にゃにゃにゃーん」


 クロッチはネコじゃらしの先を追ってぐるぐる走り回る。


「リーダー! クロッチはどうしたダニ?」


「あの男、秘技お猫様じゃらしの術をつかったにゃ」


 ダイフクは、死角にいたため猫じゃらしの餌食にはならなかった。


 猫じゃらしに取り憑かれたクロッチは、本能に赴くまま追いかけ続ける。


「あの、世にも恐ろしいと言われるお猫様じゃらしダニ! リーダー、クロッチが大変なことになってるダニ!」


「ダイフクは、お猫様じゃらしを見るにゃよ 俺が クロッチを助けるにゃ!」


 リーダーがお尻を上げ小さくフリフリっとタイミングを測る。クロッチを救わんと、男店員に狙いをつける。


「今にゃ!とうっ」


『うわ!もう1匹やる気マンマンじゃないか! くぅ~、可愛すぎるぞ』


 リーダーは素早く男の手から、お猫様じゃらしを抜き取って前脚でタシタシと踏みつけた。ダイフクは、リーダーのリーダーたる所以を目の当たりにした。


 クロッチはグロッキー寸前、尻尾はまるまると膨らみ、今は、回復に専念する為、お腹をザリザリ舐めていた。


「リ、リーダー........。助かったニャン」


「クロッチ、無事ダニか?」



 武器を取られた男店員が、ニッコリと不気味に微笑んだ。嵐の前の静けさとは、こういう瞬間なのかもしれない。


『こっちの白いにゃんこも、好みじゃんか』


「この人間、油断してはにゃらん! クロッチ、ダイフク! 次の攻撃に備えるにゃ」


「了解ですニャン」


「が、頑張るダニ」


『お父さんも、猫ちゃん大好きだもんね』


 男店員は、ダイフクを抱っこしてみようと、しゃがんで手を伸ばして来た。ダイフクは、クロッチに気を取られ全く気付かない。男店員の魔の手が、ダイフクに伸びる。


「危にゃい!ダイフク!!」


リーダーに動きは、素早かった。


 男店員はダイフクに伸びてくる魔の手に、すかさず間に入って、頭を男店員に滑り込ませて身体を入れた。


 リーダーは身を呈して、ダイフクを守った。


「ダイフクこっちニャン!」


 息が整ったクロッチも、直ぐにダイフクを呼んだ。慌ててダイフクも男店員から距離をとった。


 2匹の無事を確認したリーダーは覚悟を決める。


 男店員の手がリーダーの首筋を的確に捉えようとしていた。


「こ これは秘技グルグルの術にゃ なんて技を使う人間にゃ」


 負けてはなるものかと男の手に首筋を押し付ける。押し付ける。ぐいっぐいっと押し付けていく。


 男店員も負けてはいられないと、リーダーの首筋に両手を使ってきた。


「俺は負けにゃい!」


 首筋でもダメなら、背中、尻尾、頭と体を全て押し付けていった。


 男店員の目元が緩んだ!


「ここにゃ! 必殺腹見せ!!!」


 ごろりとひっくり返るとリーダーは柔らかいお腹を見せつけるように、魂を込めてメロメロな甘い声で鳴いてみせた。


 クロッチとダイフクは、リーダーの猛攻から目が離せない。


「にゃろーーん にゃろろろろーーーーーん」


『んな! 可愛いすぎる! やっぱり、にゃんこ飼おうよ 【サビたん】うちの仔になって!』


『お父さん、ズルーイ! 私もモフモフしたい!』


 男店員と女店員の顔が砕けた。リーダーの攻撃が、人間たちにクリーンヒットだ。


「堕ちたニャン」


「んダニ」


 その後、女店員も皿を3つ持ってきた。お猫様へ屈服の証として、速やかに貢ぎ物が納められる。


 皿には栄養満点のカリカリと煮干し、そして深めの皿には白い乳が注がれていた。


「おぉ! リーダー? 食べても良いダニ?」


「遠慮なく食べるにゃ」


「リーダーのおかげで、ここの人間は完全なる下僕になったニャン」


「やっぱり、リーダーはカッコ良過ぎるダニ」



 クロッチもダイフクも、リーダーのニャンダバーとしての悪役っぷりに、ただひたすらに感嘆した。悪の秘密結社 チームニャンダバーは、今日も人間社会に鋭い爪痕を残すのだった。



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