24 恋の鐘がリンゴーン!チャイロ支店長、お嫁さんを迎えるの巻
チャイロは、本日ニャンダバーのチャイロ支店として設置された。お猫様タワーの一番てっぺんで、男店員と女店員、そして突然現れたチビお猫様の様子を見ていた。
『お父さん、【モカ】超警戒してるよ』
『先住猫は、新しい猫にヤキモチ焼くって言うけど、【モカ】は大丈夫だと思うんだけどなぁ』
『そうだと良いけどね。よし、毛が乾いたっと。...........うわぁ、めちゃくちゃ可愛い!少し青みがかったグレーで、ロシアンブルーみたい』
『【モカ】のカリカリをお湯でふやかして冷ましてみたんだけど、食べるかな?』
小さなお猫様の前に、小皿がそっと差し出された。鼻をピクピクさせて、ヨタヨタと小皿に近づいていく。
『................うゎ』
『しー..........』
しばらく匂いを嗅いだ後、ピンク色の小さなベロでペロリと舐めた。
思わず声が出そうになって女店員は、両手で口を抑える。男店員は、人差し指を唇に当て、静かにするようにと促した。
静かな空間で、ピチャピチャと小さなお猫様の舌を動かす音だけがしていた。
空腹が満たされたお猫様は、ようやく顔を上げた。周りを見回し、お猫様タワーの一番てっぺんにいたチャイロと目があった。
リンゴーン、リンゴーン
チャイロの頭の中で、鐘が鳴り響いた。
「.....んはっ!今、オレッチの頭の中で鐘なったニャン!オレッチ、変なお顔になっていなかったかニャン?むー、お顔がぽっぽするニャン」
『お父さん、この仔、女の子みたい』
「あなたは、だあれ?」
お猫様タワーのてっぺんにいるチャイロに、小さなお猫様は声をかけた。
「オレッチ、オレッチ.........」
どう返事を返したら良いのかわからないチャイロは、モジモジしてしまう。
『お父さん、この仔も飼ったらダメ?』
『【モカ】が許可が降りないとダメ』
「アタシ、この人間に助けられたの。ずっと、だれもいなかったから、寂しかったの」
「オレッチはチャイロ」
「チャイロさんって言うの?ご飯を分けてくれてありがとなの」
「オレッチじゃないニャン、そこの男店員が用意したニャン」
「でも、チャイロさんは、黙って食べるのを見ていてくれたもん。だから、やっぱり、ありがとうなの」
笑ってお礼を言う小さなお猫様から、チャイロは目が離せなかった。
『お父さん、2匹とも良い雰囲気よ』
『そうだなぁ、ちょっと【モカ】とお見合いさせてみるか』
男店員は、むくっと立ち上がり、お猫様タワーに近づいた。
『【モカ】?ちょっぴり挨拶してみるか?』
チャイロを抱き抱え、小さなお猫様の側に連れてきた。
急に距離が近づいたため、チャイロ固まって動かなくなった。
『おっと、急に近づけすぎたかな?』
距離を放して、チャイロを床に降ろした。小さなお猫様は、チャイロのトコトコ近づいた。小さなお鼻を近づけて、チャイロの匂いを嗅いでいく。
「は、恥ずかしいニャン」
「チャイロさん、お日様の匂いがするの。アタシ、この匂い大好き」
チャイロは、俯いてしまった。少し近くになったチャイロのおでこに小さなお猫様は、自分のおでこをごっちんとくっつけた。
「大胆ニャン!君、オレッチどうしたら良いかわからないニャン!お胸がバクバクするニャンよ」
「チャイロさん、アタシと仲良しさんになって欲しいの」
上目遣いにチャイロを見上げた。
「んな~!オレッチ、オレッチ、オレッチ」
壊れたレコードにようになったチャイロは、おでこやほっぺたを小さなお猫様に擦り付け始めた。
『んーむ、ニャンコも恋に落ちる瞬間って、わかるんだな』
『【モカ】のお嫁さん、決定だね』
二人は、じゃれ合い始めたお猫様たちを、優しく見守っていた。




