23 的中した雨予報。お迎えの傘が連れてきた『ちっちゃいお猫様』
チャイロは、お猫様タワーの3段目で、しばし感傷に浸っていた。
「お空がどんよりしているから、ちょっぴり寂しくなったニャン。約1カ月だったけど、オレッチとニャンダバーの絆は千切れないニャン」
再びチャイロは、お猫様タワーの探索を始めた。男店員は、そんなチャイロの様子を眺めていた。
『キャットタワーを気に入ってくれて良かった。いっそのことウチの喫茶店を猫カフェにしたくなっちゃうね』
いそいそ、よじよじとお猫様タワーをチャイロは堪能していた。
ピリリリリ!
突然、室内に携帯電話の呼び出し音が、鳴り響いた。チャイロもピクリと反応し、音のなる方に耳を傾けた。
『もしもし、うん、うん、わかった.....』
男店員は、女店員からかかって来た電話を受けていた。チャイロは、ふとお外に目を向けた。
「あ、雨が降り出したニャン」
『はいはい、あれだけ言ったのに傘を忘れたんだね。で、どこに行ったらいいの.......うん、わかった』
携帯電話を終話し、男店員はチャイロの元にやってきた。
『傘を忘れたらしいから、迎えに行ってくるよ。【モカ】お留守番よろしくね』
チャイロの頭をひと撫でし、男店員は家を出た。1匹ぼっちになったチャイロは、お猫様タワーの小部屋でお昼寝をすることにした。
ガチャっと玄関の扉が開き、聞こえてくる声から、二人が帰って来たことがわかった。
『お父さん、どうしよう?まずはお風呂かな?』
『お風呂に入れて、綺麗にしてあげよう。何か食べれそうな物探してみるよ』
「...........み」
チャイロは、寝起きの体を思いっきり伸ばし、お猫様タワーから降りて、声のする玄関に行った。
『【モカ】ただいま!寂しくなかった?』
「にゃろ..............」
チャイロは、女店員の胸元を見て驚愕した。
「ちっちゃいお猫様がいるニャン!」
『【モカ】お留守番ありがとう』
チャイロを撫でる手から、知らないお猫様の匂いがする。チャイロは男店員に抱き上げられる。そのまま、女店員の方へ顔を近づけた。
「なんだ?このチビちゃんどうしたニャン?」
『【モカ】気づいちゃったよ。お父さん』
『【モカ】は、良い仔だから優しくできるよな』
「...........んみ」
女店員の胸元にいるお猫様は、ずぶ濡れで震えていた。
『とりあえず、この仔お風呂に入れてくる』
『了解』
「何?何?オレッチの知らないお猫様なんですけどニャン?どういうことですかニャン?」
チャイロは、頭にクエッスチョンマークをいっぱい散らして、男店員を見上げた。男店員は、チャイロの喉元を指先で擽りながら、優しく問いかけた。
『雨の中、植え込みに隠れて、必死に助けを求めてたんだって。【モカ】、しばらく、一緒に暮らしても良いよね?お兄ちゃんになってくれるかな?』
何を言われたのかよくわからなかったが、チャイロは甘い声で一つ鳴いた。男店員は、目を細めて嬉しそうにしていた。




