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モフッてモフモフ 俺たち チームニャンダバー!悪の秘密結社だニャン  作者: 枝豆子
2章 悪の秘密結社 活動報告ニャン

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12/30

12 潜入成功! 抉るスリスリと男の汗

「本日はお日柄も良く、我々ニャンダバーも遂に356匹目の.....」


「シロジさん、長いダニ。356は聞き飽きたダニ」


 今日は、チャイロが潜入を決行する日だ。チャイロも小さい体で、ビシっと気合いを入れている。


「リーダー! ご指導ありがとうございましたニャン」


「我々は、ここまでにゃ 短い間だったが、お前は俺の息子同然だにゃ 良い報告を待ってるにゃ」


 リーダーとチャイロは、お互いの顔を擦り寄せ暫しの別れを惜しんだ。続いてシロジ、ムーン、そしてニャンダバーのお猫様たち1匹1匹とチャイロは、挨拶を交わしていった。


「オレッチ、いっちょ行ってくるニャン」


「クロッチ、ダイフク あとは頼むにゃ」


 3丁目の喫茶店へ向けて、3匹は出発した。チャイロは、今にも泣きそうであったが、歯を食いしばり耐えていた。


 だが、その出そうになった涙もダイフクを見た途端、引っ込んでしまう。


「ダイフクさん、泣き過ぎニャン」


「だって、俺こういうのは、ヤバイんダニよ」


「今から見送りするお前が泣いてどうするニャン」


 ズビズビ鼻をすすりながら、ダイフクはポロポロと顔をくちゃくちゃにして、泣いている。そのおかげか、チャイロも肩の力が抜け、リラックスすることができた。


 口では揶揄っているが、クロッチとチャイロは、ダイフクが見送りに名乗り出てくれたことを感謝した。


「ダイフク、ここ覚えているかニャン?」


「ここだにか?」


「青虫いるニャン!」


大きな瞳に涙いっぱい浮かべたダイフクが、ゴシゴシと顔を前脚で拭った。そして、何かを企んでいるような悪い顔をして、にやりと笑った。


「あれやるダニ!」


「やるにしかないニャン!」


 チャイロだけが、わからない。ダイフクが、こっちだとチャイロを誘導していく。


「チャイロ、俺からの餞別ニャン しっかり見とくニャン」


 クロッチは、高くジャンプをして木の枝を前脚で叩いた。


 着地と同時にボトリと大きな青虫も落ちてきた。


「青虫ニャン」


「チャイロ、俺たちはこっちニャン」


 ダイフクは、チャイロを連れて大きな木に登り、枝の上に座った。クロッチが青虫を咥え、一軒の家の玄関前に青虫を置いた。


「ニャロ~~~ン」


 玄関の扉が開き、女の人間が顔を出した。


『やだーーーーーーー!青虫はダメなのよ~』


 一連のやり取りを木の上から、ダイフクとチャイロは覗き様子を見ていた。人間が腰を抜かして青虫から後ずさりをする。クロッチは、右に左に頭をコテンコテンさせる。


 初めて見るクロッチの技の数々をチャイロは、しっかりと見逃すまいと大きく瞳を開いて行く末を見つめる。


『お願いだから青虫どけて~~~~』


 ダイフクもチャイロも、大いに笑った。戻ってきたクロッチは、戦利品の煮干し3匹を咥えて帰ってきた。


「ほい、煮干し食べるニャン」


「アニキ、ありがとう 最後にアニキの悪っぷりを見れて、大満足ニャン」


「頑張ってこいニャン」


 3匹は煮干しで乾杯した後、3丁目の喫茶店へ歩を進めた。そして、喫茶店の裏口についた。


「チャイロ、しくじるなニャン」


「アニキ!任せろニャン 見送りありがとうニャン」


「チャイロ。短い間だったけど、楽しかったダニ 次、会うときはニャンダバーの作戦会議ダニ」


 チャイロは、大きく頷いた。クロッチとダイフクは踵を返して、少し離れた高い木の上に登っていった。チャイロは裏口の扉を見つめ大きく息を吸い込んだ。


「にゃろーーーーーん」


 チャイロは大きく誰もがメロメロになりそうな甘い声で鳴いてみせた。扉から女店員が顔を出した。


『お父さん 茶色の仔猫が遊びに来たよ』


 女店員はチャイロの側まで来て座ってきた。

チャイロはここが勝負どころと女店員に飛びついた。


「喰らえ! ぽっぺスリスリの技ニャン!」


 女店員に抱きかかえられたチャイロは勇気を振り絞り女店員の顔に頭から抉るように、ほっぺたをスリスリと擦り付けていく。


『いやん、超可愛い!お父さん!この仔猫人懐っこくてモフモフよ!』


 チャイロは頑張ってもっともっととほっぺを右に左にと大きく振りながらスリスリさせた。


 男店員も店の中から出てきた。チャイロはあと一息と差し出された男の手にもおでこを突きつけた。チャイロの小さな頭が男店員の手のひらの中へと吸い込まれるように擦りつけられる。


「アニキ、ダイフクさん! 見てるかニャン! 必ず、潜入を成功させるニャン」


 チャイロのおでこゴッチンに男店員も目を大きく開いた。大きな手のひらが、小さなチャイロの頭を撫でてきた。


『小ちゃくて、可愛いなぁ。ちょっとアメショーみたいな柄が良いなぁ』


『でしょ!流石お父さん』


「この男店員は、リーダーの必殺技 腹見せで堕ちたとダイフクさんに聞いたニャン だから、オレッチ、リーダーにお願いして秘密の特訓をしてもらったニャン」


 チャイロは女店員の腕の中で、体を捩り男店員を上目遣いで見つめた。男店員の腰がゆっくりと砕け落ちる。


「頭の位置よーし、お尻の位置よーし、前脚を上に大きく伸ばし、リーダーー直伝、必殺技 腹見せだニャン!!!!」


『お父さん、お願い』


 クロッチとダイフクは、高い木の上から息を飲み、チャイロを見守っていた。ダイフクは、エグエグと滝のような涙を流し、嗚咽を出しながら応援していた。


「チャイロ、見事な腹見せだニャン」


「リーダーとの特訓の成果ダニ」


 女店員は、男店員に何か伝えた後、腕の中で見事な腹見せを繰り出したチャイロの腹に、顔を埋めた。完全に女店員が、チャイロに堕ちた瞬間だった。


 そして、チャイロを抱きかかえたまま立ち上がった。男店員と女店員は、チャイロを連れて店内に戻っていった。


「潜入成功ダニ」


「ニャン」


「チャイロの勇気しっかりと見届けたダニ」


「ニャン」


「..........クロッチ、目から滝のような涙が出てるダニ」


「んな!......出てない!汗ニャン」


 クロッチとダイフクは、リーダーへチャイロの潜入が無事成功したことを報告する為に踵を返した。




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