表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モフッてモフモフ 俺たち チームニャンダバー!悪の秘密結社だニャン  作者: 枝豆子
1章 俺たち悪の秘密結社だニャン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/30

1 三丁目陥落!?甘え鳴きは破壊の呪文

 人間だったら一人がやっと通り抜ける事ができる、そんな細い路地裏を1匹の黒猫が、歩いていた。


「早く、報告したいニャン」


 黒猫の足取りはとても軽い。まっすぐに路地裏を抜けると、今は廃墟となった空き家がある。足場となったブロック塀に飛び乗り、ベランダに空いた穴から家の中に入って行こうとすると、1匹のお猫様が道を塞いで話しかけてきた。


「合言葉を言うダニ」


「にゃにゃ!俺も言うニャンか?」


「もちろん!クロッチでも言うダニ!」


 クロッチと呼ばれた黒猫は、仕方ないと諦めてその場に座り、右の前脚をあげた。


「合言葉は、【モフッてモフモフ ニャンダバー】だニャン ダイフク、これで良いかニャン?」


 真っ白な少し長めの毛並みであるお猫様は、満足気な表情をして道を開けた。


「合言葉を確認したダニ! クロッチお帰りダニ」


「ダイフク!ただいまニャン リーダーは、今いるかニャン?」


「いるダニ 奥でみんなからの報告を受けているダニ」


「俺も早く報告したいニャン!」


 クロッチは、逸る気持ちを抑え、リーダーの元へ急いだ。


「クロッチが帰ってきたダニ」


「今日は、どんな悪いことをしたんか?」


「クロッチは、チームニャンダバーの出世頭だから、楽しみダニ」


 空き家には、何匹ものお猫様がいた。全員が、チームニャンダバーに所属しているお猫様達だ。


 ニャンダバーは、人間社会に牙を剥く、悪の限りを尽くし、暗躍を生業とするお猫様たちが立ち上げた 秘密結社である。


 一番奥にある部屋まで行くと、積み上げられた木材の上に、恰幅の良いサビ柄のお猫様が箱座りをしていた。


 サビ柄のお猫様は、別のお猫様から活動報告を受けているところだった。


「リーダー、報告は以上ですにょ!」


「良し、引き続き頼むにゃ」


 報告していたお猫様が後ろに下がると、リーダーと呼ばれていたお猫様が、クロッチに顔を向けた。


 可愛いらしいお顔ではあるが、眼光は鋭く隙が無い。クロッチが、憧れて慕ってままならないお猫様である。


「リーダー!ただいま戻りましたニャン!」


「お帰りにゃ!クロッチ、今日は凄く良い笑顔だにゃ」


「ハイ、報告いたしますニャン!」


 クロッチの報告が聞きたいお猫様たちが、ぞろぞろと周りに集まって来た。


「リーダー、3丁目の喫茶店ですが、物資の供給に成功しましたニャン!」


「むむ!詳しく報告するにゃ!」


「ハイ!喫茶店には、男店員と女店員がいますニャン!」


「にゃにゃ? 人間二人なんだにゃ!」


「女店員は、男店員のことを【お父さん】と呼んでいたので、二人は親子だと思われますニャン」


 周りのお猫様も、クロッチの報告を黙って聞いている。リーダーも耳をピンっとたたせてしっかりと聞く体制だ。


「男店員には、まだ接触できてにゃいですが、女店員への接触成功しましたニャン」


 周りのお猫様たちから、「おおー」っと感心した声が上がって来る。クロッチは、前脚を上げ、お猫様たちに黙って聞くようにと促す。


「本日、三度目の女店員の接触で、物資の供給を受ける事ができましたニャン!」


「たった3度の接触でダニ?クロッチ、凄いダニ」


「物資の供給を受けた証拠はあるニャンか?」


 興奮して褒めまくるダイフクに、信じられないと疑っている他のお猫様たち。クロッチは、ニヤリと目を細めて笑った。


「証拠はコレですニャン!」


 クロッチは、煮干しの尻尾3個を目の前に置いた。


「貢がれた物資は、白い乳に、煮干し3匹でしたニャン。白い乳は持って来れにゃいですが、煮干しの尻尾は女店員の目を盗んで持ってきましたニャン!」


「美味かったかダニ?美味かったかダニ?」


 興奮した食いしん坊のダイフクは、尻尾をピンピンに立てて目の前にやってきた。


 クロッチは、ダイフクの顔をペロリと舐めた。


「ダイフク!メチャメチャ美味かったニャン!」


「羨ましいダニ! ハァーーーーいい匂いダニね に、煮干しの尻尾! 食べていいダニ?」


「ダイフク、待つニャン!リーダーの許可を貰えニャン」


 グッと食べたいのを堪え、ダイフクはリーダーを物欲しそうな目で見つめた。リーダーの鋭い眼光が、さらに爛々と輝く。


「クロッチ、良くやったにゃ! 最初が肝心にゃ! 当分は女店員を墜とす事に専念するにゃ!」


「ハイ!リーダー!!」


「ダイフク、そんにゃに食べたいのにゃら、クロッチを手伝うにゃ!」


「りょ、了解ダニ!.....リーダー....この尻尾はダメですかダニ?」


「クロッチが、せっかく持ってきてくれた土産にゃ チビお猫様にやるにゃ!」


 がっくりと肩を落としたダイフク。

 クロッチは、リーダーの答えに満足する。我らのリーダーは、お猫様の鏡だ。


「ダイフク!一緒に3丁目の喫茶店堕とすニャン」


「おぉー ダニ」


「ダイフク、落ち込み過ぎニャン! 物資は煮干しだけじゃないニャンよ!」


「ダニ!! おおー!! 俺も堕とすダニよ!」


 クロッチとダイフクはおでこをゴチンとさせ気合いを入れる。真っ黒な毛並みのクロッチとモフモフ真っ白なダイフクが、チームアップだ。


 チームニャンダバーは、人間に鋭い牙を剥き、悪の限りを尽くす、そしてお猫様の住み良い社会を目指す、悪の秘密結社なのだ。





お読みいただき、ありがとうございます。

続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ