第7話
「すっげー……」
ライガは感嘆の声を上げて、私とすっかり消火された荷馬車を見比べた。
私は得意な気持ちになって、ふふんと笑ったけど、すぐに頭痛がしてその場に膝を抱えてうずくまった。
「大丈夫?」
ステファンさんが駆け寄ってきてくれる。
「ありがとうございます。私は大丈夫なので、布を出してあげてください。せっかく綺麗なのにもったいないです……」
私は焦げた馬車の積み荷を指差して言った。
「こちらこそありがとう。わかった」
ステファンさんはそう言うと、ライガと焼けてない無事な積み荷を外に出す作業を始めた。
「聖女様! 大丈夫ですか!」
私の傍には後ろで様子を見ていた兵士さんたちが駆けつけた。
おじさんはずっと「まず竜を殺せ!」と叫んでいる。
ステファンさんとライガは二人で黙々と積み荷の救出作業。
しばらくそうしていると、ライガが馬車の中から金属製の大きい宝箱を見つけた。
「何だこれ……」
ライガは宝箱の前に両手をついて鼻を近づけるとくんくんと臭いを嗅いだ。
しばらくそうしてから、ぴくっと動きを止めてステファンさんの方を見る。
「ステファン、中から魔物の匂いがする」
「何だって」
ステファンさんは手を止めると、じっとおじさんを見つめた。
「ご主人、この中には何が?」
「な、なんでもない、それより早く竜を殺せっ!!」
……この人、顔にだらだら汗をかいていて、明らかになんかありそうです。
私から見ても怪しいその様子に、二人は顔を見合わせた。
「ライガ、開けられるか?」
「任せとけ」
狼男は宝箱の上と下の部分を掴んで引っ張った。
ばきばきばき
宝箱が開いた――というより割れた。
あれ、金属製だよね……?
――きっと鍵がかかっていたと思うんだけど、意味ない。すごい力持ち……。
割れた中からは――、
ごろん
白い――人間の頭より大きい丸いものが中から転げ落ちた。
ライガが宝箱を放り捨てて、その丸いのを地面に落ちる前にキャッチする。
その塊の匂いを嗅いで、彼は呟いた。
「竜の卵だ」




