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1 プロローグ
「死ね!」
ログインすると目の前に刀を持った男が襲いかかってきた。ふむ、いきなり来るか。「らしい」な。
迫り来る刃を躱し、腹を突く。男は舌打ちをして腰の辺りから薬のような物を取り出そうとした。
「させるか」
薙刀を振るい、男の右腕を斬り落とす。まだ倒れていなかったため反撃される前にとどめを刺す。
「見事だ……夜霧よ……」
男は力尽きる瞬間、私の顔を見てそう言った。
周りを見まわして敵がいないか確認し、男の装備を剥ぎ取る。刀はいつの間にか消えていた。
「……チュートリアルは終わりだろうか」
予想していたが、不親切なゲームだ。オフライン版をやっていなければ、私は初日でドロップアウトしていただろう。
つまり、このゲームはこれくらいではやめない武士が多くいるということ。
「良いな。ああ、楽しみだ」