魔法のある世界が
三度目の人生は直ぐに終わった。
家で生まれたが袋に詰められ棄てられて終わった。
四度目の人生は三つの時に事故にあい終わった。
五度目の人生は七つの時に親に売られ薬漬けの日々。
人体実験で身体が持たず死んだ。
ほとんどが毒だった。
六度目の人生は戦時中に生まれた。
十の時に奴隷になり数十年男達に犯され続け、最後には飽きられ処分された。
快楽が全てになっていた。
私は狂ってきていた。
七度目の人生はサンドバックになった。
父からも母からも兄からも周りの皆、私を殴り楽しんだ。
最終的に自殺で終わった。
死ぬ瞬間を皆は楽しんで見ていた。
八度目は幸せだと思ったが二十の時に誘拐された。
逃げられないように四肢を切断され人形として売られた。
売られた先では犯され続けた。
他の人とは違い優しくしてくれたと思っていたのだが直ぐに新しい子が入り飽きられた。
放置され餓死した。
九度目は六つの時に火事で死んだ。
両親が私を守ろうと盾になってくれた。
救助隊が来た時には両親は黒焦げになり死んでいた。
救助隊は私を見るなり掴んで火の中に放り込んで行ってしまった。
火の中はとても熱い、痛い、人は嫌い。
十度目はこれまでと変わっていた。
魔法等があるファンタジー世界、異世界に生まれた。
だが、これまでと変わらなかった。
いや、これまでよりも地獄だった。
魔法があるので死なせてくれなかった。
瀕死状態になったら回復させられ、また瀕死状態までと繰り返され続けた。
幸いだったのは回復の効きが弱まっていって、最終的に死ねたことだ。
それまで便器のように扱われ、サンドバックになり、拷問され続けた。
目玉をくり抜かれ、そこに突っ込まれ。
腕を切られ、それを食わされ。
地獄だった。
同じく捕まっている人達の肉も何もかも全て沢山食べた。
それしか食べることが許されなかった。
おかしくなる何を考えているかも分からなくなる。
死んでいたかった。
とっくに死んでいる。
私は死んでいる。
そして生き返る。