4話 魔女リンリン
「はい、おそらく…」
歯切れの悪い返事になった。だって仕方ないよ!この子の身体になる前の記憶ないもん!!
「おそらくって、記憶が混雑してるのかい?」
女が問いかける。
「気がついたらここにいて、その前の記憶がなくて、でも私の写真が飾ってあったから多分家族です。」
流石に元男っていうわけにもいかず、記憶喪失っていう流れでいくことにした。
「かわいそうに…記憶がなくなるほどのショックどんなことがあったんだろう。そうだ君の名前は?」
名前か…前の名前を使うわけにもいかないよなぁ
「すみません名前もわからないです。」
「そうなのね、じゃあいまは、シロって呼んでいい?」
「はい、シロでお願いします。」
了承はしたが、シロって埼玉県の5歳児のペットと同じ名前だなぁ。可愛いからokだけど
「ていうかシロ、起きてもいいのよ?」
あそうだ、おれまだうつ伏せで伏せてたんだ。
おれはムクっと起き、ゆっくりと立ち上がったそして女の方を見てみると、いかにも魔女の様な格好をしたとても綺麗な顔をした女性だった。
そして自分の頭上を見てみると、さっき浮いたベットがまだ天井で浮いていた。うわーファンタジー!
「自己紹介するわね、私の名前は、シャルロットよろしくシロ」
「よろしくお願いします。シャルロットさん。シャルロットさんは魔女さんですか?」
おれは気になることを聞いてみた。だって現在進行形で自分の頭上でファンタジーが繰り広げられているんだもの気になるよ。
「そうね、魔女よ」
そう言って彼女はドヤ顔をした。ドヤ顔ってことは魔女ってすごくすごいんだな。
「シロ、あなた私のところに来ない?身寄りが見つかるまででも」
彼女はさっきまでのドヤ顔が嘘かのよな真面目な顔をしてそう言った。おれからしたらありがたい限りの提案だ。
このままついていかないと確実に死んでしまうからな、この魔女さんはすごく優しい人なんだな。
「行きたいです、ありがとうございます。」
おれは優しい魔女さんに45度のお辞儀をした。