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お家へ帰ろう

挿絵(By みてみん)

「明日帰ろうと思います」

「そうか、おめーさんにはなんだかんだ世話になっちまったな、またいつでも来いや」


 第一印象最悪だったフェルゼンさんがニカッと笑いながらそう言ってくれる


「寂しくなるね〜夜な夜な聞こえる2人の熱い吐息も聞き納めかい」

 

 初見で殺されそうになったザフィーアさん

 いきなり下ネタぶっ込んで来るの辞めて下さい


「離れていてもわたしとリオン、レイカは友達なのじゃ!」


 そういやザフィーアさんに殺されそうになったのってマルモアのせいだったな

 でもマルモアが凄く良い子だって知ったからね、怒ってない怒ってない


「本当に帰っちゃうんですね、また来てくれますか?」

「もちろん、そのつもりだよ」


 上目遣いに聞いてくるブルーメの頭をポンポンと撫でながら答える

 あ、いけね、つい撫でちゃった

 小柄なブルーメの頭って凄く撫でやすい位置に有るんだよね

 嫌がるかと思ったけど俯き黙って受け入れてくれた、まあ父親にされた時も本気で嫌がっていた訳じゃ無いだろうしね


「あんたらにゃ世話になったね」

「そうそう、私らがここで働けてるのもあんた達のおかげだからね」


 キーファーさんとリューべさん

 この2人とは余り話す機会無かったな〜

 

「んじゃ今晩は盛大に追ん出し会をやるぞ!」

「「「「「「おーーーー!!!」」」」」」


 うぁ・・・・歓迎会の悪夢が蘇ってくる〜


「ほう、それは私も参加して良いのかな?」

「「オイレさん!」」


 オレとブルーメの声が見事にハモる

 オイレさんって結構神出鬼没だよな


「おお、オイレも来るのじゃ!歓迎するのじゃ!」


 オイレさんには随分助けられた

 オレが犯罪者にならず済んだのもこの人のおかげだし


「よし!今日は早仕舞いだ!最後にうめーもんたらふく食わしてやっから期待してろ!」


 有り難い話だ、けど呑まされ過ぎ無いように気を付けないとな


 夕刻で店を閉め、テーブルの上に次々と料理が並べられる


 店の皆んなの他にオイレさんは来ると言っていたので当然だが、ガルテンさんまで顔を出してくれた、どうやらブルーメが呼んだらしい


「そうだリオン、今日これが届いた」


 オイレさんは懐から一本の巻かれた書状を取り出してオレに見せる

 書状は一度開封されたのだろう、封蝋は解かれていたが、この印は・・・・!


「国王陛下直々の命令書だ、半月後我々地方守備隊が害獣駆除作戦を結構する事になった

 これで約束は守れたかな?」


 まさかこんなに早く命令が下るなんて・・・・

 オイレさん、ちゃんと約束を守ってくれてたんだ


「有難う御座います、これで村の人達も安心して暮らす事が出来ます」

「なので君達とは直ぐ再会する事になるな

 その時は是非『英雄』グラムス殿とその奥方にお会いしたいものだ」

「解りました、父さんにはその旨伝えておきます」

「おう、何やら面白そうな話じゃねーか

 俺達も参加するか?ザフィーア」

「そうさね、久しぶりにアタイの槍捌きをお披露目するのも悪かないね」

「わたしも行くのじゃー!」

「そんな訳でオイレ、依頼頼まー」

「解りました、こちらとしても『剛腕』と『戦闘姫』が居てくれるなら心強いですから」


 あれよあれよと言う間に話が纏まっていくけどノリ軽くね?


「そんな簡単に連れて行けるんですか?」

「国からの要請と言うなら面倒な手続きが必要だが、私個人の依頼と言う形ならなんら問題無い」

「でもフェルゼンさん達って冒険者引退したんじゃ・・・・」

「引退はしたが腕は鈍っちゃいねーぜ?」


 そう言って丸太の様な腕に力こぶを作り見せ付けてくる


「お店はどうするんですか!」

「店は休みにするしかねーが、なーにほんの数日だ、でーじょうぶだろ

 なんだかんだ言ってもよ、俺達だってグラムスに会いてーってこった」

「そうそう、だからあんたらは何も気にする事無いんだよ」

「でもお二人を雇う程村に余裕は有りませんよ」


 元より冒険者を雇うお金が無いからこそ地方守備隊を頼った訳で

 Aランク冒険者を2人も雇うとなると一体幾ら掛かるのか見当も付かない


「それは心配いらない、さっきも言った通り私が個人的に雇うんだ、つまり雇主は君の村では無く私だ、当然依頼料を払うのも私と言う事になる」

「でもそれじゃあオイレさんの負担が凄い事になるじゃ無いですか、そこまで良くして貰う訳にはいきませんよ」

「でーじょうぶだって、ギルドを通しての依頼って訳じゃねーから依頼料はこっちが勝手に決められる

 俺達が金貨1枚って言っちまえばそれまでよ」


 通常ギルドを通して斡旋される仕事の場合、難易度や必要人数から依頼料を試算し、それに仲介手数料を上乗せした金額が依頼人に提示され折り合いが付いて初めて冒険者を斡旋する仕組みで有る

 個人的に頼めば仲介手数料は確かに発生しないが、実力の良く解らない冒険者にとんでも無い額を吹っかけられた挙句、依頼料を持ち逃げされるなんて事にもなりかねない


「そんな、それじゃあフェルゼンさん達大損じゃ無いですか」

「いーんだよ、俺が行きたくて勝手に付いてくって話しなんだからよ、依頼ってのも軍と一緒に行動するための口実みてーなもんだしな!」

 

 これはもう何を言っても無駄だな

 実際経験豊富なAランク冒険者が2人も居るとなれば仕事の成功確率は格段に上昇する

 こちらとしては願ったり叶ったりで有る


「さあ、話も纏まったって事でおっ始めようぜ、俺が腕によりをかけてこさえた料理だ!食ってくんな!」

「「「「「「頂きまーす!!!」」」」」」


 その夜はフェルゼンさん自慢の料理を心ゆくまで堪能したので有った


 翌朝、帰り支度を済ませ食堂へ下りると店の皆が仕事の手を休め見送りに出てくれる

 そんな中フェルゼンさんが大きな包みを持ってオレに近づいて来た


「おうリオン、コイツを持ってきな俺からの餞別だ」


 フェルゼンさんから布に巻かれた、シルエットからしてオレが使う両手剣と同じと思しき物を渡される


「これは・・・・」

「そりゃな、俺の親父の親父が打った剣でな、ちーと特殊な金属で作った逸品よ」


 布を解いて見ると両手剣なのは間違い無かったが、刀身部分が光の加減で七色に光って見える


「虹色鉱つー加工が難しい鉱石で俺達ドワーフだけが扱える特別な金属で出来てる

 鋼なんぞより余程頑丈でどんなに乱暴に扱おうが刃こぼれ一つしねーぜ」

「こんな高価な物頂けませんよ!」

「持ってけ持ってけ、俺もザフィーアも両手剣は性に合わねーから使わねーんだ、置いてあっても宝の持ち腐れってやつよ

 おめーさんには店の立て直しまでして貰った恩が有る、その礼も兼ねてんだ使ってやってくれや」


 そこまで言われ無下にする事は出来ない

 有り難く受け取る事にしよう


「有難う御座います、大切に使わせて頂きます」

「ハッ!武器なんざ大切に扱うんじゃねーよ

 それに言ったろ?そいつはちょっとやそっとじゃ壊れねーって」


 多分強度に関してはフェルゼンさんの言う通りなんだろうけど、この剣からは何かしらの魔力を感じる

 一体どんな魔法が掛けられているんだろうか見当も付かない

 フェルゼンさんは知っているのかな?


「魔法?んなもん掛かってるのか?俺はそっち方面疎いから全然気が付かなかったわ

 何にしろ悪いもんじゃねーだろうよ」


 フェルゼンさんにも解らないか、後でレイカに例のスマホ(仮)で調べられないか聞いてみよう


「じゃあ半月後にな!」

「アタイの強いとこ見せに行くからね!」

「わたしも鍛えておくのじゃ!」

「また来てくださいね!絶対ですよ!」


 各々からの別れの挨拶を受けオレ達は帰路に就くので有った

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