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第21章『五稜郭』へん
取り急ぎ、続編を投稿いたします。
やんごとなき方は、あるとき、やんごとなき方の付き人が、部屋に入ってくると、このやうに仰せになった。
やんごとなき方「おい、お前。『五稜郭』を知っているか?」
「はい、存じ上げております。」
やんごとなき方「さうであるか。『五稜郭』なかなかに趣深い建造物であろう。」
「ええ。さやうにございます。」
やんごとなき方「よーく覚えて居れ。」
「…ああ…なるほど。」
やんごとなき方の付き人は、やんごとなき方の言わんとするところを何となく察知し得、深々―と頭を下げて一礼し、その場を後にしようとした。
すると、やんごとなき方がこう、仰せになって呼び止められた。
やんごとなき方「おい、お前。分かったのか?」
やんごとなき方の付き人は、やんごとなき方の方を振り返り、こう答えた。
「…ええ。何となくは。」
やんごとなき方「『バカ』には分かり得ぬことであるが。」
「…ああ。幸いと存じます。嗚呼、幸いと存じます。」
やんごとなき方の付き人は、再度、深々―と一礼をして、その場を後にした。
引き続き、ご愛読の程、よろしくお願い申し上げます。
ことそばらすか。




