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やんごとなき方々の諸記憶  作者: ことそばらすか
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第9章『川中島の戦い』へん

取り急ぎ、続編を投稿いたします。

ある時、やんごとなき方の付き人が、このやうなことを上奏してきた。


「陛下!『武田信玄』と『上杉謙信』が戦を致しました。」


やんごとなき方「いずこでか?」


「『川中島』でございます。」


やんごとなき方はしばしお考えになって、こうお答えになった。


やんごとなき方「おい、お前。今、西方の国の名は何と申す。」


「『西方の国』と言いますと、大陸にある国のことでございますか?」


やんごとなき方「そうだ。『明』であったか?」


「さぁ、我にも記憶がございません。」


やんごとなき方「構わぬ。使いを送れ。」


「ははぁ。」


それから後、『武田信玄』と『上杉謙信』は、再び戦をした。やんごとなき方の付き人が上奏する。


「陛下!『武田信玄』と『上杉謙信』が再び戦をいたしました!」


やんごとなき方「またか…いずこでか?」


「『川中島』でございます。」


やんごとなき方「…相分かった。下がってよい。」


「ははぁ。」


そして、再び、『武田信玄』と『上杉謙信』が戦をした。やんごとなき方の付き人が上奏してきた。


「陛下!三度、『武田信玄』と『上杉謙信』が戦をー!」


やんごとなき方「…よもや『川中島』とは申すまいな。」


「いかにも…。」


やんごとなき方「『西方の国』に使いは送ったのか!」


「…。」


やんごとなき方の付き人は、深々―と頭を下げて、その場を後にした。

引き続き、ご愛読の程、よろしくお願い申し上げます。


ことそばらすか

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