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掌編小説シリーズ  作者: 藤泉都理
2019.12.
97/2266

カレンダーの日




 すべてをかなえる子になりますよう。

 全叶ぜんきょう

 あなたの名前ですよ。











 時代を重ねるたびに、

 声が大きくなっているのか、

 声が小さくなっているのか、




 身の内と、

 身の外と、

 声が重なる時はあるのか?


 









 この日は吉、この日は凶、この日は、大吉。

 適当に投げた先に天を向くサイコロの目、

 を見た時の自分の感情で一か月の運勢を決める。

 吉、凶、大吉、大凶。

 一日、午前だけ、午後だけ、

 眠る前に一瞬だけ。


 この日は、


 ――ね。




 一年間のカレンダーに、一日たりとも漏らさず記されている用事のほとんどは重複しているもの。

 ほとんどが。

 例外が一つ。

 自由の一つ。


 その日は、ほとんどの繋がりと断つ日である。

 ほとんどの。

 己の命はどうしたって、断てない。



 他の命。己の命。

 ともに繋がったまま。 

 もうしばらくしたら、その日を迎える時刻になって。

 眠る前に一瞬だけ訪れる運勢を思い浮かべて。

 

 意識が朦朧とし。

 消失していく繋がりを自認しながら。

 呟く。

 同時刻。

 その日を迎え。

 他の命との繋がりがなくなり。

 身の内と身の外の声が重なる。

 

 名の通りに生きて。

 すべてを終えたその時。


 カレンダーのほとんどが、真っ白になる。


 自由の文字さえ書く必要などなくなるのだ。


 運勢を縁にする必要もなくなるのだ。


 未来に思いを馳せられる事に安堵しながら、眠りにつく。

 





(2019.12.6)




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