9/2264
夕陽
人が二人並んでちょっと余裕があるくらいの横幅。
人が三人肩車してちょっと足りないくらいの縦幅。
折り返してもう一度上ると、一階上へと行ける。
そんな裏階段の一番上。
五階建ての学校の中で屋上の次に立ち入る事ができる高い場所。
いつもは誰かが居るそこに、一人佇み見据える。
人が二人並んでちょっと大きいくらいの横幅。
人が二十七人肩車してちょっと足りないくらいの縦幅。
一直線に裏階段を彩る。
そんな透明な窓から飛び込んでくる、大きな、大きな夕陽を。
学生をちょっと寂しくさせ。
部活生や塾生を活気づかせ。
恋人たちを酔わせる。
そんなひどく幻想的な夕陽を、とても神聖的な想いで目を細めて見つめる。
そして、思うのだ。
綺麗だなと。
頑張ろうと。
問題を解くのだ。
居残りから解放されるのだ。
自らを奮い立たせてくれる、偉大で優しい夕陽。
勉学の楽しさを半分知っていた頃の感想である。
今、あの夕陽を目にしたら何を思うだろうか。
眩しさに目を細めるか。
世界を手に入れた気になるか。
誰かにこの夕陽を見せたいと思うのか。
恐らく、二番目だろう。




