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掌編小説シリーズ  作者: 藤泉都理
2019.4.
63/2265

平成最後の満月




 満月に羽衣が流れる。

 薄い、うすい、灰色の羽衣。

 濃淡の違いはあれど、満月を隠せはしない。

 それどころか、様々な満月の色と形を見せる羽衣は、幻想的な神秘性をさらに際立たせる。

 途切れ途切れに、羽衣は流れる。

 とぎれとぎれに、満月は遠くから眺めるだけで満足できる神々しさを、反面、危ういとわかっていながらも近づきたいと懇願させる妖しさを見せる。


 平成最後の満月。

 何かが降りてきそうだと思わせる月だった。












 

 本当に降ってきた。

 稲で編まれた傘で顔を覆う、手のひらに乗っけられるくらいにちっこい小僧だ。

 月の力が弱まっているおかげで逃げられた、匿ってくれ。

 知るかと一蹴しようとしたら、先程まで満月の魅力を惹き出してくれていた羽衣、もとい薄雲が自分の周りを囲んだ。

 途端、雷が発射。夜空に花火。ああ、綺麗。


「じゃなくて!」 


 攻撃したと思ったら、ふわふわ浮いてんですけど!

 なにこれやだこれ!


「私の故郷を一緒に探してくれ!」

「断る!」

「家族が心配か?ならば家族も一緒にゆこうぞ!」

「ちゃうわ!」

「ちょ、なにこれ!」

「ああ、これ夢だわ」

「父は忙し過ぎて非現実仮想空間に入った」

「さあさ、各々方参ろうぞ!」

 

 こうして自分たち家族は小僧の故郷探しに向かったのであった。




「ラッキー」

「ラッキーじゃない!」

「これは夢これは夢これは夢」

「父は忙し過ぎて非現実仮想空間に入った」



(2019.4.24)




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