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掌編小説シリーズ  作者: 藤泉都理
2019.2.
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冬の布団干し




 ここ最近、曇りや雨ばかりの天気。

 しかし明日は晴天との天気予報を目にして色めき立った。

 曇りマークが一切ついていない、正真正銘の真っ赤な太陽なのだ。

 明日こそは。

 



 次の日。広がる雲のおかげで、太陽の姿がうっすらとしか見えない。

 空色よりも、灰色がちょっと交る白色が視界を覆う。

 今日は止めといたほうがいいんじゃない。 

 家族は言う。

 いや、天気予報を信じる。山もきれいだし。乾燥しているから最悪晴れていなくても大丈夫。

 止めた方がいいのに。

 呆れる声を背に、ベランダに出て布団を干す。保険はかけない。上下ともにだ。


 まだ、太陽は雲の後ろに隠れたままだ。

 きっと久々に登場しなければいけなくなってしまい、恥ずかしくて出て来れないのだ。

 まだ午前十一時である。

 気長に待とう。


 やった。太陽様が姿を現さられた。

 ふふん。どうよ見立てが正しかった。

 得意げに自慢すると、まだわからないけどねと、負け犬の遠吠えが聞こえる。

 干せばよかったのに、

 嫌味を返す事は忘れない。


 でも、太陽様の登場は短かった。三分間。長くて十分。あとはまた隠れてしまう。

 やっぱり、今日は干すべきじゃなかったのよ。

 いや。もう少し様子を見る。

 今現在、一時。

 そして、一時三十分。

 太陽様は厚い雲を着飾ってしまった。

 お顔がお見えにならないほどに、


 冬の陰りは早い。前に建物もあるからなおさら。

 流石に、なあ。

 ぽつぽつ空色は見えるものの、灰白に覆われそうで、見切りを付けた。

 

 うう。冷たい。太陽の匂いもしない。でも、乾燥してたおかげで、ちょっとふっくらしてる。

 ような気がするじゃなくて?

 ふっくらしてる。

 そう、よかったじゃない。

 心の底からのものじゃないとわかっているけど、よかったよ干してと言い返した。

 それから十五分後。

 太陽様がお目見えになられた。

 今度は雲に隠れる事もなかった。


 いいんだ別に。どうせあと三十分くらいだし干せても、

 

 その日の晩。やっぱり、前の晩よりふっくらしている布団を満喫した。

 すぐにへこんだけど。





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