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掌編小説シリーズ  作者: 藤泉都理
2018.10.
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天使と悪魔




 天使と悪魔。

 どちらになるかを決定づけるのは、眼前の人物。

 

 なんでも屋を営む、あらたの行動如何で、わたしの職業先は決まる。


 人助けか。

 人殺しか。

 どちらの件数が多いかで、決まるのだ。



 わたしは干渉を一切しない。 

 あらたの行動をただ観察。

 あとは、願うか、呪うか。


 天使になりたければ、

 悪魔になりたければ、




 殺戮を繰り返し、生きている内に地下へと強制的に送還された元悪魔、現人間、あらた。

 

 ならば、職業先が悪魔なのは、明白?


 あらたが、拾われた人間の命じるままに殺戮を繰り返したのでなければ、余地はなかったのかもしれない。

 



 なんでも屋を営むあらた。

 

 人助けも人殺しも、平等に。

 

 染まるのは、防衛本能か、単なる考えなしか。




 天使になりたいのか、

 悪魔になりたいのか、



 

 あらたに委ねるほどに、わたしはどちらにも興味がないのだ。


 あらたと同様に、






 と言えるほどに、わたしはあらたを知らないのだ。


 


「ねえ」


 見えるのは、言葉を語りかけるのは、前世の記憶を持っているからか、今世に備わった能力か。


「君の望む行動をしてあげるよ」


 無機質。空洞。

 染めたい?

 埋めたい?


「天使と悪魔、どっちになりたい?」


 どちらになりたいか、

 自身でも何度でも問い掛けた質問。

 導き出せない答え。


 ふと、脳裏を過ったのは、


 言葉を聴きとれるが、話せない。文字も書けない。

 ので、そこらへんに落っこちていた棒を拾い、地面に絵を描いて、あらたを見たら。

 とてつもなく嫌そうな顔になっていた。


「かまぼこはちょっと、触感が嫌いでさ。協力できそうにない。ごめんね」


 かまぼこを描いたつもりはなかったが、あらたにはそう見えたらしい。

 別段、それになりたかったわけではない。

 ふと、思い付いたのがそれだったので、否定もせずに、気にするなと首を振った。 


 予想していたより、生きているのがわかっただけでも、収穫だった。 


 そして、染められるのも、埋められるのも、どうやらわたしらしいと気付かされたのも、





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