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畳のあと
痛くないのと、問われる
痛いよと、答える
痕がつくよと、忠告される
消えるしと、反論する
苦しくないのと、ちょっと心配される
苦しいけど、と、肯定して、でも、と紡ぐ
離れたくないと
仕方がないなあ、と、苦笑交じりに告げて、去って行った
連れて行くのを諦めたようだ
うつぶせのまま、片頬を畳につけて、いつもよりも呼吸を意識して、い草の香りを堪能して、目を瞑る
この姿勢はちょっときついし、片頬はちょっと痛いし、畳の痕はくっきりと残るのは目に見えているけれど
今だけ
数時間後、片頬にあとがつく人物は一人だったはずなのに、三人になっていた




