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菊
迷い入った桜の花弁。
そよぐ向日葵の大海。
酔いしれる薔薇風呂。
緩やかに流るる紅葉。
眼前に在るのは、飲み慣れた緑茶とたくさんの細長く黄色い花弁を持つ食用菊。
自然には、無理だよなあ。
庭に降りて、食用菊の下に湯呑をスタンバイ。
落ちて来るのを待つ事、五分。
やはり、お猪口の中に迷い入る桜のようにはいかない。
一枚千切って、湯呑の中に投入。
緑茶に黄色が映える。
うむ。風流である。
外側が硬い羊羹。
あんこたっぷりの塩豆大福。
トロトロな蜜のみたらし団子。
お芋の甘みが引き立つびっくりだんご。
水分も甘みも豊富なお芋。
この時期は特に、渋くて味の濃ゆい緑茶のおともに、毎度色々な甘味が駆り出されるが。
たまには、団子より花もいいものである。
たまには、五感全てを使って、花を愛でよう。
苦味の中に、ひとすじの仄かな甘みが浮き立った。




