かみなりこわいっ
「何がどう転がったらあのような腑抜けになるのだ」
「本当ですよねえ」
「よりにもよって。自由自在に操っていた雷に怯えあのような無様な姿を見せるなどっ!」
「本当ですよねえ」
「あれが我の子孫など。誰にも披露なぞできぬではないか」
「本当ですよねえ。ぷぷ。まさかかの有名な大鬼の子孫があのような。ぷぷ」
「貴様も似たようなものだろうがっ!」
「本当ですよねえ。大陰陽師として名高きわたくしの子孫が、わたくしの二つ名である雷を怖がるなんて。ふふ。誰も信じないでしょうねえ。まさか。どちらがより名を上げられるか競っていたわたくしの子孫とそなたの子孫が恋仲になるなんて。はあ。わたくしこそ信じられません」
「今すぐに目を覚まさせてくれるわ」
「おやめなさいよ」
「競い合っていたからこそ、我等はここまで名を上げられたのだぞっ!」
「ええ。わたくしたちは高名を望んでいました。けれど、子孫はそれを望んでいるわけではないでしょう?」
「貴様っ」
「いいではないですか。あのような幸福なふたりを見ることができただけで。ふふ。披露宴が楽しみですね」
「っなにが楽しみだ。我は認めぬ。認めぬからなっ!」
「あらら。まったく。仕方のない大鬼ですね。あの様子では邪魔をするのは目に見えて分かります。もう少しだけ。この世に留まって応援してあげますので安心してくださいね。お二人さん。それと。あまり雷を怖がらないでやってくださいね」
「ん?」
「っひ。ど、どどどどどどうしたんっ!?」
「んんんんんん。ななななななんかななななななつかしいこえがしたような。げげげげげんちょうかも」
「そそそそそそうだよかかかかかみなりにやられちまったんだよははははははやくねちまおう」
「そそそそそうだよねクーラーをガンガンきかせたらふふふふふ冬布団をにににににまいかぶってもんぎゃああああああ!!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛なにもみえないきこえないいいいいい!!!」
「むりむりむりむりむり目を瞑っていても雷の光があああああ!!!」
「………ん~~~。やはり、少し、大鬼と共に鍛えた方がいいかもしれませんねえ」
(2026.8.28)




