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黄色の折り紙で作られた傘だった
ちいさなちいさな傘だった。
幼子が持つような、
黄色の折り紙で作られた傘だった。
折り目がたくさんつけられていた、
雨に濡れれば流れ落ちて、
泥のように、
風に晒されれば飛び去って、
泡のように、
光に浴びれば裂け崩れて、
氷のように、
傘だった黄色の折り紙は千切れて黄色の花びらになった。
こまやかな、菜の花のはなびらになった。
とけたはなびらがあった。
さらわれたはなびらがあった。
うめるはなびらがあった。
遠くから見ているような感覚がある一方で。
黄色の折り紙で作られた傘そのものになったのような感覚も、確かにあったのだ。
「師匠」
胸を張ればいい、
胸が塞がればいい、
掴めない感情に胸を焦がせばいい、
「ありがとう」
弟子に助けられた師は確かに笑った。
青空の下、
菜の花のはなびらでいっぱいになった大地の上で、
すくって、もちあげて、ほうりなげて、
かくれるように、ぶつけるように、いろどるように、
心を躍らせて、はしゃぎ合った時のように。
楽しくて嬉しくて、
どうしてか、少しだけ悲しさをにじませてわらった、




