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道歩くたびにに聞こえるオーッオッオッオッーって音何?

疲れた 眠い 死にたい 

そんなネガティブな思考にとらわれている僕こと田野裕司はあるピンチに遭遇していた。

それは、人によってはピンチでもなんでも無い者だろう。

しかし人によっては死よりも恐ろしいことである。と、声を張り上げて言う事ができる位の出来事である。

そのピンチに説明するために、まずは僕の今日一日を振り返ってほしい。


PN:5:45


ジリリリリリリリリッジリッリリリリリリリリッリリ―――――


バチンッ


朝、冬と言う季節により、一層布団が恋しい今日この頃、僕はテンプレートにな音により主人を安眠を妨害する時計に向かって、時刻を設定した昨日の僕に対する殺意を込めて、時計があるであろう位置に向けて腕を振り下ろした。

予想道理の位置にあった時計は動きを止め、僕は少し溜飲が下がるのを感じた。

いつもよりも30分は早い時刻を指す時計、僕は己の不運を呪いながら、緩慢な動作で学校への支度を始めた。



PN:6:00


僕は支度を終え、1階のリビングに下りてくる。普通の一般家庭の活動開始時刻などは知らないが、少なくとも僕や、僕の家族にとってはいささか以上に早い時間帯であったのであろう。リビングは冬の寒さがはっきりと分かるくらいには、暗く、そして静まり返っていた。

ここで話は変わるのだが、僕は賑やかな方と静かな方どちらがより好きかと問われた場合、躊躇なく静かな方が好きと答えられるくらいには、人とのコミュニケーションに慣れていない。いや、むしろ嫌いといった方がいいかもしれない。

別段、これと言った原因や過去があるわけでは無く、ただ人との会話にいつまでも慣れないのだ。

例えるなら夏休み明けの第一声のような緊張感、それがいつまでも体から抜けきらず、会話自体を億劫だと感じてしまうのである。

まあ、つまり、何が言いたいのかと言うと、僕は今のこの時間が自分で思っているよりも、かなり好ましい時間であった。と言う事である。

慣れない鼻歌を歌い、見るからに気分を良くした僕は朝食を作り始めた。

僕の家は基本的に、自分の事は自分でをモットーとしている。よって僕自身も料理、洗濯、掃除

と言ったことは、拙いながらもすることができる。

しかし、僕が今朝、30分も早く起きたのは決して朝食のためでは無いし、また時間も、ある用事を考えると決して時間があるわけでも無い。

よって、僕の朝食はジャムトーストと言う極めて簡素な物に成らざるを得なかった。

そして、その如何にも市販、な味に僕は物悲しさを覚えずには居られなかった。


PN:6:05


いつもよりもかなり早い登校。しかし、肌に触れる外気や、街並みはいつもとは違った表情をしていた。

まず、人がいない。いや、いるには居るのだがそれでも僕が普段見ている人並みを考えると、かなり少なかった。

次に、シャッター店の多さである。別に、この町が過疎っているわけでは無い。

むしろかなり賑やかだろう。そう言うのもこの町には、ほかの町にはないようなある目玉が在るのだが…その話はまた今度で良いだろう。

まあ、何はともかくこの町は、普段かなり賑わっている。無論それに比例するかのように食品やら衣類やらの店が全国からかなり集まっている。

そんな日常を知っているからこそ、この商店街の様子にはかなり驚いた。

そんないつもと変わった風景にまた一つどーでもいい発見をしながら、商店街を抜けていく。

そして、そのまま道なりに進んでいくとあるものが見えてくる。

ちょうどT字路になったところまで出ると、それはよりはっきりと見えてくる。

白亜の壁である。それもただの壁ではない。磨きがかかった鏡のように滑らかで、もう少し辺りが明るくなれば、顔を映すこともできるであろう。

そんな、まあ…そんなすんごい綺麗な壁が、ざっと目測で200メートルは続いているのだ。

また、その白亜の壁は上にも高く、大体ちょっと大きめの一軒家位はあるように見える。

ぶっちゃけ、かなり異質だ。

しかし、驚くのはまだ速い。この白亜の壁、歴史的な物とかでは断じてない。

この壁は、あくまで外壁なのだ。

そしてその外壁は、外界と、内界を明確に分けている。

そんな仰々しい真似までして、その内側に何を隠しているのか?

答えは簡単。


学園である。

しかしそれは、ただの学園ではない。世界中からの勝ち組をかき集めて文字通り、次世代を担う若者を創る事をモットーとした、マジもんのお嬢様・お坊ちゃま学校である。

また、その勝ち組と言うのもかなり変なのが多いらしい。

無論、普通のお嬢様、・お坊ちゃまもいるらしいが、特待生と呼ばれるカテゴリーに属する人たちを筆頭に様々な噂が流れているくらいだ。


曰く、現代の科学を300年以上進めた大天才がいる。


曰く、山河をたたき壊す力を有し、海軍の秘蔵の戦艦を素手でたたき壊した。


曰く、忍者の末裔がいる。


曰く、異世界から渡ってきた魔法使いがいる。

etc etc etc…


正直、かなり眉唾物である。

まあ、少なくともこの学校が、普通じゃないってことは分かってもらえたと思う。

さて、僕がここまで長々と説明した、この凡人では生涯、かかわることはおろか、中を一瞥することもできない、この学校こそが!





僕の学校の通学路の目印です。


PN:6:30


白亜の壁を、道なりにぷれぷれと歩くこと20分。

ようやく僕の学校が見えてきました。

正直、説明する事無いです。

敷いてあげられる特徴と言えば、屋上に出られることと、食堂が美味しいこと。

それ以外には、偏差値的にも、大会的にも、パっとしない普通の高等学校です。

さて、先ほども言った通り、僕はかなり早起きをし、そして家で一息つく間もなくこの学校に来ている。

本音を言うならば、このまま家に帰って、二度寝、三度寝と言わず、布団に根を這って行きたいくらいである。

しかし、今の僕にそれは許されていない。

こんなざまになったのは、昨日の担任による、とあるラブコールからだった。


PN:20:30


プルルルルルルルルル プルッ プルルルルルルッ


ガチャッ


「はい、もしもし八亘ですけど―――」

『おはよう、八亘清澄君。本日の君の任務だが―――』


ガチャッ


切りたい


そう思う頃、すでに行動は終わっていた。


正義は勝つ…ッ


プルルルルルルルルル プルッ プルルルルルルッ


現実は非常である。

僕はため息をつき、カタツムリを思わせる程緩慢な動作で受話器を取った。


ガチャッ

「はい、もしも―――

『お前、留年確定な』


理不尽すぐる

「いや、それ歩横暴が過ぎやしませんか、悠先生」

受話器の向こう側にいて、僕のお先を真っ暗にするような発言をかましてきたのは、橘悠先生。

僕式、煙草が似合いそうなおっさんランキング第一位に輝いたナイスガイだ。

『なぁんか、テメェ変なこと考えてねぇか ゴラ』

なぜばれたし。

しかし、僕もいい加減眠い。何よりバツイチ教師の相手なんざしとう無い。

と言うわけで、僕の巧みな話術によっておかえりを願おう。

「そ、そんなことよりも先生、こんな夜分遅くになんの御用ですか?僕なんかに電話かけてる暇があったらその辺の尻軽ビッチ捕まえた方が先生の将来的にも絶対良いですよ!」


『ぶっ殺すぞ』


どうしてこうなった

いやっまだだ…まだ終わらんよ!


「いやっ違うんです先生ッ!先生ももう三十路に差し掛かってきています。もう、相手を選り好みできる状況じゃ無いんです。これは、先生に対する忠告でも、助言でもありません。ただの願いです…

ATM状態で尻軽ビッチの彼女に貢ぐ日々と、座右の銘が、俺はまだ本気出してないだけ。のクソ童貞野郎。どっちがいいか、よく…よく考えてみてください」


『ぶっ殺してやるから、明日6:30までに校長室に来い』


なんでや

つーか6:30?眠いわ

丁重に断ろう…


『断ったら、ガチで留年な』

なんだとッ…

しかし…しかしッそれでも僕はNOと言える日本人になりたいッ

見せてやる僕の言い訳四十八手(奥義)

くらえェッ!

「いや~ホントにすいませんッ明日その、朝から用事がありまして…」

『ハア?用事ィ?なんのだよ』


ここだ…ここが勝負の分かれ道ッ

決めろッ!僕ッここで決めなきゃミジンコ以下だッ


「いや~そのぉポンポン痛くなる用事がありましてぇすいません」


来世はアメーバぐらいにはなりたい


『…いいから来い。ジュースくらいなら奢ってやっから…』


ピッ


そういって先生は電話を切った。

しにたい(絶望感)





PS:今の電話を聞いて爆笑している妹を爆☆殺できるぐらい強くなりたい







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