どこ!ここ!
そして2週間がたった。
俺は洞窟でギガントという巨人のような魔物を倒したところである。
いやそんなことよりも
「2週間がたったじゃねーよ!!なんの進展もねーよ!」
そう人里を目指してから2週間である。
『またですかマスター…。文句を言っても人里には着きませんよ』
「文句も言いたくもなるわ!大体ここどこだよ!!俺は森にいたんじゃないのか!なんで洞窟にいるの!?」
2週間前は森の中をこいつの言う通りに進んでいたはずなのにいつの間にか洞窟の中へ案内されていた。
『だから先ほどから何回も同じことを言わせないでください。ここを通らなければ人のいる場所へは行けないと言っているでしょう』
「だからって普通2週間もかからねーよ!この2週間どんだけ辛かったとおもってんだ!水は川の水やらテレビで見た方法でかき集めれたからまだ良かった。だけど!食糧が問題なんだよ!!魔物しか食べてないじゃん!最初、殺すのに怯えてた頃がなつかしーわ!殺し慣れたわ!!」
そうこの2週間、俺はひたすらサバイバル生活を送っていた。水を集め、襲ってきた魔物を食べ、ひたすら尖った木を平らな木に擦り摩擦で火をつけ、寝ればそこを魔物に襲われる。そんな生活が続いた。
この身体能力のおかげで大分マシだと思うがろくに休めていないので精神がもうボロボロだ。誰か、助けて……。
『まさかマスターがここまで適応力があるとは思いませんでした。初日から考えたら随分な成長です。この2週間で魔物を普通に殺すことができるようになれたのは幸いです』
「殺して平気ってわけじゃねーよ。ただそうするしか選択肢がなかったからそうしただけだ」
今でも殺しに嫌悪感はある。俺は殺すたびに後悔をしてしまう。俺一人ならとっくに心が折れてただろう。そういう意味ではこの聖剣は役に立っている
「おっ!なんか明かり見えないか」
『この洞窟の出口でしょう』
俺は、だんだんと速足になっていき途中からは走っていた。
やっと、やっと!出られる!
この洞窟に入ってからと言うものの昼も夜もわからずに暗い道をただ歩いて狂いそうになっていた。
これでこの洞窟ともおさらばだ!!
ずっと暗闇の中にいたので光に目が慣れてなく目が焼けるような感覚になる。
しばらく目をつぶってゆっくりと目を開くとそこには……。
「また!森じゃぁぁぁぁンンンンん!」
森だった。
「あ〜もう無理だわ〜。心折れるわ〜」
『もうすぐですよマスター。それに、よく考えてみてください魔物の住む洞窟の近くに住むはずがありませんよ』
「俺もそう考えたけど2週間も掛けてここまで来たんだから期待してもいいだろ」
はぁ〜、いつになったら着くんだよ。俺この世界に来て魔物ばっかりでまだ人と出会ってないし会話したのも聖剣だけだし……。
「この世界に人はいるのだろうか?」
その時、きゃーーと言う悲鳴のような高い声が響いた。
「えっなになに、また魔物!?」
『マスター違います。これは人の声です。何かあったのでしょうか?行ってみましょう』
どうやら人の叫び声らしい。ひと?
「お、おい今人って言ったか?てか言ったよな!」
『はい、助けを求めるような声でした。何かに襲われるみたいなので急いで行きましょう』
人が…人がいる。この世界に来て魔物と変なしゃべる剣としか会っていなかった。だけど!!人に会える!
「は、はは、ハハははは!待っていろよ人間どもーーーー!」
俺は反射的に全速力で駆け抜ける。このチートボディーを最大限まで使って駆け抜けた。
『マスター!落ち着いてください!!これじゃ助けに行くのか襲いに行くのかわかりません!!』
「そんなん、知るかーー!!」
途中、何回か木にぶつかり環境破壊をしてしまったが小さいことだ。
だれか助けて!!
わたしの心は恐怖でいっぱいです。目の前には、全身緑で醜悪な顔をしたゴブリンと言う魔物が棍棒を持ってゆっくりと近づいて来ています。
嫌!いや!いや!いや!来ないで!!
わたしは、必死に声を出し助けを求めます。
だけど、誰も助けてはくれません。物語の中なら王子様が助けを聞きつけ倒してくれるかもしれません。けど、そんな夢みたいなことがあるはずがなくわたしはただ絶望するだけです。
ゴブリンが目の前の獲物に顔をニヤつかせ逃すまいとこちらの動きを観察しながらどんどん距離が短くなっていきます。
わたしは腰をぬかし倒れ震えながら地面を腕の力だけで移動します。必死に腕を動かしなるべくゴブリンを見ないようにして逃げます。
近づいてくる足音が大きくなって怖くなったわたしはゆっくりとゴブリンを見ると笑いながら棍棒を振り上げています。
誰か!誰か!誰か!
「助けて!!」
わたしは力一杯叫びました。すると…。
「オルァァァァァァァァァァァァ!!」
ゴブリンに向かって飛び蹴りをしている珍しい黒い髪をした男の人が目に入りました。
とても力が込められていたのでしょうか。
蹴った勢いで風が吹き、わたしはとっさに目を閉じました。
そうして、しばらく目を閉じていると
「大丈夫?」
その声は優しく安心できるような声でした。
わたしは、自然と体の震えも止まり落ち着いています。
感謝を言おうと目を開けるとそこには………。
「ハァ、ハァ…お、お嬢ちゃん…聞きたいことがあるんだけど?」
目が血走り息を切らせかなり必死に問いかけてくる変態がいました……。
「きぁぁぁぁぁぁぁへんたいぃぃぃぃ」
わたしは震えの止まった体をもう一度震わせながら自分の村まで走り出します。
アドバイス等よろしくお願いします!!