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第二章 7話

2014/2/16日の投稿です

 店建築3日目


 昨夜宿で考えた結果俺の建築スキルでは地下1階、地上2階までの建物が限界だと思った。よって店は建築スキルの実験を兼ねて限界まで、地下1階と地上2階の建物とする。


 俺は店舗建設予定地でクリエイト・ブロックを使い地下室掘りと石材作りを同時進行させる。作った石材はスライムによって運ばれ、保管される。


 そうして出来た大穴にクリエイト・ブロックと建築スキルの知識を応用して作った『ペイブメント』で舗装・補強し、地面を頑丈な土台に変えていく。


 地面を押し固めて罅も空洞も無い平らな一枚岩に作り変える感じだ。これで地球で言う基礎工事の割栗石・捨てコン・ベースコンクリートが一気に終わった。


 日本だと捨てコンとベースコンクリートの間に配筋という作業があるが、この世界の建築知識には無かった。良いのだろうか?


 ……地球の建築の知識はバイトの時のままで曖昧だし、こっちの世界の知識には無い。とりあえずこの世界の建築方法では基礎工事の全てが終わったので良しとするか。この建築の知識でほかの店もやってるんだから大丈夫だよな?変な事やって目立っても困るし、中途半端で逆に何か問題が起こっても困るし、良しとしよう。



 その後先程作った石材をスティッキースライムの硬化液をセメント替わりにして組み上げ、固めて更に補強していく。この作業は魔法が要らず、スライムにも出来るのでどんどん進んでいく。そして魔法で石柱を作り、地下室とその壁、1階の床まで出来上がり、店舗の外壁になる部分を作る。


 本当に魔法って便利だ。ここまで木材を、そしてお金を1スートも使ってない。石の箱の中に石の柱と壁を設置して補強している単純な作りだけど、強度が十分なのは分かる。


 石造りの柱を見ていて一瞬、学生時代に教科書で見た古代の神殿の柱みたいにしてみようかと思ったが、止めた。店の地下室をそんな豪華にしても仕方がない。


 そして出来た店舗内の床になる範囲に土魔法『スムーズ・ペイブメント』をかける。これは『ペイブメント』と違い、頑丈さより表面に滑らかさを出す魔法だ。これにより大理石の床のように表面が滑らかになる。魔力と時間の関係で、今日の作業はここまでだな……






 店建築4日目


 1階の床の上に、硬化液と石材で壁と部屋の仕切りを作る。その後2階も作っていき、昨日と同じように床にスムーズ・ペイブメントをかけて滑らかにする。今日はこれだけで1日を費やした。





 店建築5日目


 今日は天井を作り、内装も整える。廃坑付近の木を切り倒し、木工スキルの知識に従って魔法で木材に加工を試みた。


 錬金術で木の水分を少しずつ抜いていき、風魔法のウインドカッターを応用して地球の木材加工用の丸鋸をイメージした新魔法『サークルソー』を開発し、板に出来たものを更に、風魔法と土魔法を合わせて作った魔法、『ポリッシュホイール』で研磨して表面を綺麗にする。


 ポリッシュホイールはブレイクロックで砂が出来、風魔法のサークルソーの周りに纏わって回転するイメージだ。この魔法では物は切れない。高速回転する風の中の砂で表面を研磨する魔法だ。


 錬金術で乾燥させた木は、水分を取り除けるのは良いが一気に水分を抜くから反り返りや割れが出来る物も多い。まぁ柱にする訳ではないので良いだろう。


 板や木材には加工出来たが、木材作りで一日を終えてしまった……





 店建築6日目


 昨日作った木材で棚やカウンターを作る。その後粘着液をニス替わりにしてコーティングして乾燥させる。


 更に壁にも粘着液で板を貼っていく。


 石造りの建物はいいけど、店としては内装の雰囲気がそのままでは重苦しく感じたからだ。


 土魔法も使って調整したため、内部は木造風になっている。


 ふとここでクリーナースライムが妙な動きをしているのに気がついた。


 作業で出た木屑やゴミを食べてる? 汚れは食べるが、ゴミは今まで自発的に食べたりしなかったのにな……スカベンジャーならやってたけど……ん? 食べてるんじゃない、集めて、吐き出して一箇所に……掃除か!?


 急いでクリーナースライムを魔獣鑑定してみると、スキルに清掃作業Lv1というスキルが増えていた。こんなスキルあるのかよ、というか、スライムが覚えるスキルか? …………今更か。そう言えば棒術とか覚えてるやつ居るしな。


 気になって他のスライムも調べたら、アシッドスライムが木工Lv1を覚えてた。確かに手伝わせたけど……取り壊した建物の木材を消化させて処理して貰ったり、ちょっと道具与えて木材削らせたり、木材溶かさせて簡単な加工はさせてたけど……この世界のスキルってこんなもんで得られるの?


 まぁいい、作業が捗る分には困らない。


 その後、足りなくなった板は俺が切り出した後大きさと形を整えるのはアシッドスライムに任せた。これによりまた作業速度が上がった。


 出来上がった木材を見た感じ、アシッドスライムは意外といい仕事をしているみたいだ。







 店建築7日目


 店舗、お客から見える部分の内装は整った。あとは外装だ。外装が単に土を固めたブロックの色なんだ。これでも業務に支障は無いが、ちょっと拘りたい。


 洗濯屋、つまりクリーニング店。イメージ的には白いイメージだ。外壁を白くしたい。こればかりは土魔法ではどうしようもないので、セルジュさんの所に行って聞いてみよう。


「壁の色を白く、ですか……」

「出来ませんか?」

「可能です、しかし、商売を行う店舗にはあまり使われませんな。大抵貴族の館の壁に使われますが、白い石材は高いですし、汚れが目立ちます」

「それは確かに…しかし、洗濯屋としては今の外壁の色はどうかと思うんです。土の色の外壁より、白い外壁の方が清潔に見えるでしょう?」

「そうですな。その点は非常に納得できます。しかし在庫もそれほど多くはないのです、この街ではあまり需要がありませんので」

「そうですか……」


 白い壁は無理か…………そう言えば……この街は鉄鉱山の鉱山街だよな?


「セルジュさん、この街は鉱山街で、製鉄所もありますよね?」

「ございますが、それがどうかなさいましたか?」

「製鉄所があるという事は、製鉄に石灰を使ってませんか?」

「流石リョウマ様、よくご存知で。確かに鉄の不純物を取り除くために石灰が使われています」

「その石灰を手に入れる事は出来ますか? できれば安く」

「可能です。石灰は私共の店でも取り扱っていますし、元々さほど高い物ではございませんので」

「そうですか、良かった。でしたら石灰を土魔法で固めれば、白い石材を安価に作れるかもしれません」


 石灰なら色は問題ない、日本でも石灰は漆喰の材料として使われていたから問題ないはずだ。生憎漆喰の作り方は知識に無いが、土魔法でブロック化出来ればいい。スティッキースライムの粘着液を塗れば、汚れも落ち易いしな


 セルジュさんにもその発想は無かったらしい。


 その後セルジュさんに石灰を用意して貰い、試してみると予想通り、クリエイト・ブロックで石材にする事は可能だった。


 しかし、セルジュさんが安価で白い石材という点に若干の興味を示していたのでさっさと買う物を買ってお暇する。いい人なんだけど、今は店作りに集中したいんだ。


 結局今日はセルジュさんの店で石灰の大袋を大量に買い込んだ。




 そうして店に帰り、石材を作って外壁に貼り付けようと思ったが、行動に移す前にふと思い付いた。


 1つの普通の石材を用意し、その上にスティッキースライムの粘着液を薄く塗る。そしてその上から石灰を使って『スムーズ・ペイブメント』をかける。すると粘着液の付いた石材を包むように、滑らかな表面をもった白い石材ができた。


 石灰によるコーティングに成功した!


 それからは急いでスティッキースライムを総動員し、壁を這いずり粘着液を塗って貰った。その後俺の『スムーズ・ペイブメント』により白い外壁が完成した。


 ブロック作りより大分楽に済んだが、コーティングでは予定していた石灰を殆ど使わなかった。大量に石灰が余ったので、外壁を粘着液でコーティングするのはやめる事にした。


 もう一度壁全体となるとスティッキースライムも大変だろうし、手間もあまりかからないし、洗っても汚れが落ちなくなればまた壁を塗り直せばいい。


 こうして大量に余った石灰はディメンションホームの中にしまい込まれる事になった。


 突貫工事だったが、大分形になってきたな……しかし、店は出来てきたが店の周りがむき出しの土じゃ淋しいな。


 芝生か花でも植えたいが…………………………そうだ、お隣さんが花屋なんだから聞きに行こう。種か何かも売ってるかもしれない。売っていたら木属性魔法で育てればいいんだ。


 善は急げで行ってみる。すると店の前に立った瞬間声をかけられた。


「いらっしゃいませー! あ、リョウマ君!」

「こんにちは、……レニさん」


 一瞬名前が思い出せなかった。


「さんは要らないよー。アタシの方が年下だし、レニでいいよ。で、何か用?」

「じゃあレニ、花か芝生の種を買いたいんです」

「種? 分かった、何種類かあるよ。ちょっと待ってね。おかーさーん!」


 レニが店内に向けて大声を出すと、カウンターで2人の女性と話をしていたポリーヌさんが返事をする。


「何だい大声で、はしたないよ」

「お母さんがおしゃべりに夢中だったからでしょ! それよりお客さんだよ!」

「おや、リョウマ君じゃないか。何か買いに来たのかい?」

「あら、この子がリョウマ君?」

「こんなに小さいのに凄いのね」


 なんか、ポリーヌさんと井戸端会議をしていた2人の女性までやってきた。とりあえず挨拶しとこう。


「初めまして、リョウマ・タケバヤシです」

「あら、本当に礼儀正しいわね。うちの子にも見習わせたいわ。私はキアラよ、よろしくね」

「メリーよ、よろしくね。噂は聞いてるわよ」

「噂?」


 噂って何の事だ?


「アンタ、ここのところずっとウチの隣で店作ってるだろ?思ってたよりかなり立派だからさ、アンタが凄腕の魔法使いだって噂になってるんだよ」

「凄腕ではないですよ。生活に使える魔法ばかり使ってきたので、こういう仕事が得意なだけです」

「あんだけ頑丈そうな建物を建てられりゃ十分凄腕さ。それに大量のスライムを飼ってるって噂もあるね」

「それは事実です」

「知ってるよ、あたし達はこの目で見たからね」

「すごい数のスライムが、リョウマ君が作った石を運んでる所とかね」

「あれを見てたんですか」


「スライムがあんな動きをする所を初めて見たわ。ついつい見入ちゃった」

「この街には従魔術師が他より多いけど、アンタみたいなのは見た事ないねぇ。おっと、買い物だったね。何が欲しいんだい?」

「花と芝生の種が欲しいんです、ありますか?」

「あるよ。花の種は種類によって値段が変わる、芝生は1袋130スートだ。どれくらい必要なんだい?」

「今建ててる店の周りの土を覆うくらいの芝生が欲しいですから……」


 どれくらい必要か考えてみると、そんな俺を見てポリーヌさんが手助けを申し出てくれた。


「ちょっと店を見せてくれるかい?アドバイスするよ」

「よろしくお願いします」


 俺はそう言ってポリーヌさんを案内する。その後ろにレニやキアラさんとメリーさんも続いている。全員来るのか。


 そして4人は俺の店を見て立ち止まり、店をしげしげと眺めている。


「どうかしました?」

「ちょっと驚いちまったよ。この店、今朝までこんな色じゃなかったろ?」

「私達が来た時も土の色だったわ」


 ああ、それでか。


「ついさっき、魔法で塗り替えたんですよ。洗濯屋をやるのに土の色の店ではイマイチ清潔感が無いと思いまして。石灰を買ってきて土魔法でちょちょいと」

「はぁ~、アンタほんとに腕が良いんだね」

「確かにこの方が綺麗ね」

「洗濯屋だったかしら? うちも一度頼んでみようかな? 洗濯の時間が節約できれば家事に余裕ができるし」

「是非、お試し下さい。せっかく知り合えた事ですし、初回1袋分だけ無料で洗濯させて頂きますよ」


 そう言って俺は2人にアイテムボックスから出した袋を1枚ずつ配る。こういう機会に顧客を獲得しておかないとな!


 その後ポリーヌさんに見立てて貰い、芝生の種15袋と4種類の花の種を2袋ずつ購入した。

 種まきは明日にする。


 そう言えば、ギルドの掲示板に広告を出す事が出来るという事を誰かから聞いた気がする……


 明日スカベンジャーに肥料を作って貰うためにも、明日はギルドに行こう。


 それなら早く帰って出す広告を考えなきゃな……

作業なので基本的に淡々と進めます。


魔法便利ですね!そして珍しく?スライムではなく主人公のチートを多く使ってます。スライム達も頑張ってますけどね。


新魔法開発は魔力操作スキルと現代知識を持ち、前世オタク趣味であった竜馬にとってはかなり楽な作業です。普通は才能とそれなりに時間をかける必要があるのですけどね(笑)


話が変わりますが、感想欄で主人公の部屋は作らないの?という質問を多く頂きました。


現時点で竜馬は公爵家一行の宿に泊まっていて、公爵家一行と別れた後は廃坑の管理と修行と研究のための利便性から、廃鉱に移り住みます。そこから街に通って仕事をする予定です。なので自分の部屋は作っていません。


店主としての執務室はありますよ。



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