第一章 19話
本日一話目
短いですが、今日も投稿します。今日の投稿はこの一話だけです。
初めての戦闘描写があります
今日は朝から馬車で、街から3時間ほどの距離にある廃鉱山へとやって来た。そして俺達は今1本の坑道の入口の前に居る。護衛の皆さんも来ているが、ジルさん達4人以外は俺たちとは他の坑道で魔獣を狩るらしい。
「頑張りましょうね! リョウマさん!」
エリアは普段お嬢様らしく、簡素だが質の良い高級な布地であることが俺でも分かるドレス? を着ていたが、今日ばかりは動きやすいシャツを着てズボンを履いていた。その上におそらく魔獣の革製の革鎧を着ており、非常に張り切っている。
目の前の坑道に入るのは俺、エリア、ジルさん、カミルさん、ゼフさん、ヒューズさんだ。
ラインハルトさん、奥様、ラインバッハ様も鉱山に来ているが、ラインハルトさんと奥様は2人で、ラインバッハ様に至っては1人で別の坑道に入るという。大丈夫なのかと聞いたらジルさん達にこう言われた。
「心配無い。3人は昔、冒険者として旅をしていた。更にラインバッハ様に至っては昔にあった近隣国との小競り合いで武勲まで立てた程だ。街の近くの廃鉱に住み着くような魔獣ではかすり傷一つ付けられん」
「本当は僕たち護衛なんて必要ないんだよね。3人とも気ままに街を歩くのが好きだし、自分の面倒は自分でみられる人達だし、セバスさんが居れば全部事足りるんだよ。街にも僕らついて行かなかったでしょ?」
「お嬢達4人は普通の貴族と違って仰々しいのを嫌うんだよ。俺みたいな礼儀のなってない奴でも能力がありゃ雇うし、公の場や他の貴族の前じゃなきゃ普通に話しかけろって言われてるしな」
だそうだ。どうやら3人とも剣か魔法の名人で、強いらしい。
そんな話を聞いている時にふと気がつくと、少し離れた場所にある坑道の前で奥様が俺とエリアに向かって手を振っていた。それに俺とエリアが手を振り返すと、もう一度大きく手を振ってからラインハルトさんと坑道に入っていった。
2人が別の坑道入って行くのを見送って、俺たちも坑道の中に入る。先頭はゼフさん、次にジルさんとヒューズさん、その次に俺とエリア、最後にカミルさんだ。
「お嬢様、坊ちゃん、足元が暗れぇから気をつけてくだせぇ。ここは人が働いていた坑道ですからありやせんが、ダンジョン何かにはトラップがありやす。そう言ったモンを見つけるのがあっしみたいな斥候の役目です。今回は訓練ですが、くれぐれもあっしらより前には出ねぇようにお願いしますよ」
「はい!」
「了解です」
しばらく歩くと、前方に何かが見え、それと同時にゼフさんが足を止め、俺たちも止まる。そしてよく見ると……
「虫?」
何やら俺と同じ位の大きさの、カマキリのような虫が1匹居た。
「見えやしたか坊ちゃん。流石ですぜ、ありゃケイブマンティスっつう虫型の魔獣でさぁ。両手の鎌で地面に穴を掘ったり、洞窟や坑道を見つけて住み着く習性がありやす」
「ッチ! 面倒なのが住み着いてんな……」
「強いのですか?」
「強くはねぇです。鎌も鋭い訳でもなく甲殻も柔いですから、鉱山に入ってきたのを鉱夫が見つけたら、見つけ次第につるはしでボコッとやって退治してやす。
ただ、繁殖が早くて数が多く居る可能性が高いのと、たまに上位種のブレードマンティスってのが混ざってる可能性がありやす。ケイブマンティスと見た目が似てて見分けにくいんでさぁ」
「ブレードマンティスの鎌はケイブマンティスより鋭いため、ケイブマンティスだからと油断していると、混ざっていたブレードマンティスに思わぬ被害が出る事があります。ご注意を」
「はいですの」
「見分け方はどうするんですか?」
「ブレードマンティスの方が少しだけ大きいですぜ。大した差じゃありやせんがね。素早く見分けるには経験あるのみですぜ。ちょうど良くあそこにいるのはケイブマンティスです。あっしが引っ張って来るんで、近くで見てみてくだせぇ」
ゼフさんがそう言って一人でケイブマンティスに近寄っていき、気づかれた所で戻ってきた。その後、俺とエリアに見える位置でケイブマンティスの攻撃を手持ちの小さな盾で受けている。
「あれがケイブマンティスです。鎌の攻撃はそこそこ早いのでお気を付け下さい」
「お嬢、ゼフが受けてるうちに魔法で倒しちまえ。誤射には気をつけろよ」
「火魔法はダメですよ。洞窟の中では煙の行き場がありませんから」
「分かりました」
「何時でも良いですぜ、お嬢様!」
「それでは……『アイスアロー』! っ! 『アイスアロー』!」
エリアの放った最初のアイスアローは避けられたが、エリアはすぐに二発目を放ち、ケイブマンティスを仕留める事に成功する。
「魔法発動の速さは合格ですが、狙いをもっと正確にするよう心がけて下さい」
「分かりましたわ」
その後、歩き出してから2分ほどすると、またケイブマンティスが居た。今度は4匹だ。
「どうする? さっきはお嬢がやったから今度はリョウマが、と思ってたが……いきなり4匹はキツいか?」
そう聞かれたのでやってみると答えた。
「気をつけろよ」
俺はその言葉に頷き、腰に下げた2本の短剣を抜いて無属性魔法『肉体硬化』を発動する。
そして俺はケイブマンティスに駆け寄る、それに気づいた1匹がすぐにこっちを向いて右手の鎌を振り上げてきた。俺はその鎌が振り下ろされる前に左足でケイブマンティスの体を支える右前脚を蹴り抜き、折った。するとケイブマンティスはバランスを崩し、倒れこむ。そこで地面に倒れたケイブマンティスの頭を右足で踏み潰し、次に向かってきた2匹目に向かう。
2匹目は左手の鎌を振り上げていたので振り下ろされるタイミングに合わせて反時計回りに体を四分の一回転させてギリギリで躱し、そのまま右手の短剣で関節を切り落とし、続けざまに左手で逆手に持った短剣で首を撥ねた。
そして後ろから3匹目が狙ってきていたので、左手の短剣を逆手から順手に持ち替えつつ反時計回りに体を回し、右手の短剣で鎌を受け流しつつ接近し、左手の短剣の一閃で首を撥ねる。
その後4匹目が左手の鎌を横薙ぎにして襲いかかってきたので、接近する事で鎌の先端を躱しつつ右の短剣で鎌を受け左で関節を切り落とす。次は右手の鎌を横薙ぎにしてきたので、左で受けて右で関節を切り落とす。両手の鎌を失ったケイブマンティスにはもう抗う術は無く、俺に首を撥ねられた。
戦闘が終わってエリア達の所に戻る。
「お疲れさん、近接戦も問題ねぇみてぇだな。お嬢、虫系の魔獣はしぶといからリョウマがやったように首を撥ねるか頭を潰すまで絶対に油断すんなよ」
「分かりましたわ」
「用心して硬化の魔法を使ったのも良い判断だ。硬化を使えばケイブマンティスの攻撃なら問題なくなるだろう」
「流石ですわ、リョウマさん」
虫系の魔獣はガナの森に居たグリーンキャタピラーで慣れてるからな。あれは弱かったがかなり生命力の強い魔獣だった。
それから再び坑道内を歩く。30分ほど歩いたが出てくる魔物はケイブマンティスだけで、実戦訓練というより単調な駆除作業になってきた。そうしているうちにとうとう坑道の最奥部に到着した。
「ここで行き止まりのようだな」
「長かったけどほぼ一本道だったし、ここでこの坑道は終わりかな?」
「だろうな。横道は全部行き止まりが見えてたからな、魔物の討ち漏らしはねぇはずだ」
「ここで終わりですの?」
「ここは単なる試掘坑だったんでしょう。長くはありましたけど複雑な道でもありませんし、後は戻るだけですね」
「しかし、出てきた魔獣が1種類だけってのは残念だったな。もうちっと色々出てくると思ったんだが」
「ケイブバットやらスモールマウスはおそらく、さっきのケイブマンティスに食われちまったんでしょうねぇ……」
名前からしてコウモリとネズミか?
「こんな事ここで話してたってしょうがねぇな。出ようぜ」
ヒューズさんの言葉に異論はなく、俺達は坑道の外に出た。その際ディメンションホームからスライムを出して、ここまで来た道に捨ててあるケイブマンティスを食べさせながら坑道を出ると、そこにはラインハルトさんと奥様が待っていた。
「おかえりなさ~い」
「どうだった?」
「お母様、お父様、私10匹以上ケイブマンティスを倒しましたわ!」
「初戦闘にしてはなかなかだね」
「途中からはリョウマさんが前衛をこなしてくれましたの。リョウマさんは短剣で20匹以上倒してますわ!」
「リョウマ君が守っててくれたのか」
「ケイブマンティスがそんなに居たの?」
「どうやら我々の入った坑道はケイブマンティスの巣だったようです。他の魔獣は1匹もいませんでした」
「そう、なら午後は別の坑道に入ってみましょう」
「まずは昼食にしよう。そろそろ他の者も戻ってくるからね」
そう言われて俺はスライムをディメンションホームに入れ、二人に案内されたのは大勢が集まって食事をしている開けた場所だった。
そこは鉱山の山肌にあり、周りの景色がよく見える。鉱山の山肌は黒と赤茶色の斑模様だが、所々に大量の赤土が積み上げられている場所が見える。聞いてみると、それは全て鉱山から掘り出された土の捨て場らしい。
「勿体無いなぁ……」
この鉱山、もう鉄の産出がほぼ0とか言ってたけど、鉄鉱石が出ないだけで土には鉄分入ってるんじゃないか? 赤土だし酸化鉄、サビの色だろ? あの色。これ、多分錬金術使えば鉄に出来るんだが……もう廃坑になった所から大量の鉄を産出したりしたら拙いよな……錬金術は胡散臭いとか、錬金術師は詐欺師っていうのが根強いイメージらしいし。
そんなことを考えていると、食事の用意が出来たからとエリアに呼ばれたので食事に行く。
戦闘描写が難しい…
説明口調というか作業っぽい
実際、今回の竜馬の戦闘は作業のような物なので今は良いのか?とも思うのですが、今後臨場感を出すのは課題とします。




