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第一章 18話

本日2回目の投稿です


異世界で初めての武器屋です!

 ~Side 竜馬~


 集中しすぎて時間を忘れてた。それにセバスさんの言葉で気がついた所で、セバスさんがワープでエリア達の居る場所に連れてきてくれた。


「お帰りなさい、リョウマさん」

「お帰り。遅かったわね、どこまで行ってたの?」

「新しい魔法は覚えられたかい?」


 転移してきた俺たちに気づくと、すぐにエリア達が駆け寄ってきた。


「はい、カミルさんとセバスさんのおかげです」

「それは良かったのぅ。どれ、魔力がまだあるなら何か見せてくれんか?」


 そう言われたので、俺はまずカミルさんに習った魔法を一通り放った。そして次はディメンションホーム……入口開けるのに10秒くらいタメが要るな……要訓練だ。


「『ディメンションホーム』」


 無事成功し、入口を開けてみるとセバスさん以外が固まっていた。…………そういや、俺の年齢ならアイテムボックスが使えれば上出来なんだっけ? 魔法教えて貰ってテンション上がって忘れてたな……


 4人がセバスさんに詰め寄っていたが、すぐに俺の所に来て褒めてくれた。それから今日は帰宅することになったが、俺は空間魔法の練習がてらワープで帰る事になった。空間魔法の修行はただ只管反復練習が一番良いらしい。万が一の場合に備えてセバスさんが付き添ってくれている。


 と、そんな道中、ふと思い出したようにセバスさんが話しかけてきた。


「リョウマ様、明日我々はエリア様に魔物と戦う経験を積ませるため、廃坑に行く予定です。もしよろしければ、リョウマ様もいかがですか?」

「いいですね、一緒に行かせて頂いてもよろしいですか?」


「勿論です、お嬢様も喜びますよ。リョウマ様は弓以外の武器はお持ちですか? 廃坑内は狭いので、弓はお勧めできません。それに防具も必要になります」

「短剣でどうでしょうか? あと魔法と格闘もできますが、防具はありませんね」


「武器はそれで問題ないでしょう。魔物と言っても弱いですし、護衛も付きますから。あくまでお嬢様の経験のため、考えて相手に当たる事をさせるためですので」

「では短剣で行きます。防具に関しては……」


 そういや、ギルドマスターから紹介状を貰ってたな。


「街に戻ったら買いに行ってみようと思います。丁度冒険者ギルドのギルドマスターからいい武器と防具の店の紹介状を貰ってましたから」

「そうですか、それは良かった」


 その後街に到着した俺達は門の前で別れ、セバスさんは先に宿に、俺は武器屋に向かった。そして紹介された武器屋を見つけて中に入ると、ゴツイ男が不気味な満面の笑みで俺を迎えた。


「いらっしゃいませー、何がご所望ですか?」

「え、ええ……廃坑などの狭い場所で使える武器を探しています。それと防具を」

「それならばこちらの棚に短剣がございますのでご覧くださーい」

「……あの、失礼ですが、無理されてませんか?」

「………………わかるか?」

「……とても簡単に分かります」


 笑顔が数秒で崩れておかしな顔になっているもんなぁ……俺がそう言うとその男性はとたんに無愛想な顔になった。


「あぁもうヤメだヤメ! 悪いな、ちっと知り合いにお前は無愛想すぎるって言われたもんだから、愛想良くしてみたんだ。性に合わなかったがな」

「そうでしたか。あ、ここはディガー武具店ですよね?」

「ああ、そうだ。それがどうした?」

「冒険者ギルドのギルドマスターから紹介状を預かってます。ここに行ってこれを見せろと」


 そう言って俺は紹介状を渡した。


「ウォーガンが? 珍しい事もあったもんだな。お前、新人だろ。金はあんのか?」

「はい、武器の相場は分かりませんが、小金貨30枚は払えます」

「そんだけ払えりゃ十分だ。今までは何を使ってた?」


「普段は弓を使っていますが、廃坑内では取り回しが」

「なるほどな……なら、さっきも言ったが短剣、それか片手剣あたりが妥当だろ」

「では短剣を……2本、それから投擲用のナイフはありますか?」


 投擲術のスキル持ってるからな、今までは石しか投げた事無いからこの際買ってみよう。


「10本で小金貨1枚だ。高いが質はいい、使ってから回収して手入れをすれば長く使える」

「では武器は投擲用ナイフ10本と短剣2本でお願いします」

「短剣1本小金貨2枚、2本とナイフ10本で計小金貨5枚だ。あとは防具も要るんだったか?」


「はい、出来るだけ動きやすい物が良いのですが、どんな物がありますか?」

「動きやすい鎧なら革鎧だ。魔獣の革で作られた物なら粗悪品の金属鎧より頑丈な物も多い。魔法が付与された防具の中には全身甲冑でも革鎧並みに動ける物もあるが、そんな物はまず流通しねぇし、したとしても高い。白金貨を持ってなきゃ話にならん」


「では魔獣の革鎧でお願いします」

「分かった。だが、お前の体格に合う物は2種類しか無いな。それ以外だと調整に1日は見て貰うがどうする? 全部見るか?」


 明日使うから今日買える物にしよう。


「廃鉱に行くのは明日なもので、今日買える防具だけでお願いします」

「そうか、分かった」


 男性は奥に入って2つの鎧を持ってきた。


「これがそうだ。2つとも魔獣の革製の鎧だ。1つはグレルフロッグって魔物の革で作られた防具だ。よく曲がり、動きやすく、それなりに強度がある。中銀貨4枚だ」


 何か、ゴムみたいな質感だな……フロッグ……カエルの革か?


「もう1つはハードリザードの革製の鎧だ。こっちは高くて小金貨5枚になる」


 グレルフロッグとかいう魔獣のとは値段の桁が違うな……


「随分値段が違いますね?」

「素材の問題だ。ハードリザードは荒野に住む魔獣だが、滅多に見つからない。おまけに魔力を使って無属性魔法の肉体硬化みたいな能力を使うから狩るのが難しい。武器では生半可な腕じゃ切れねぇし、魔法を使えば皮がダメになる事が多い」


 肉体硬化は皮膚を魔力で覆い、体を傷つきにくくして防御力を上げる魔法だ。それを使う魔獣なら狩りにくいだろうな……


「上手く倒すには運と実力が必要だが、革は軽くて魔力を通せば硬化する性質を持ってる。魔獣の能力だが、革そのものがそう言う性質を持っている。それに硬化といってもガチガチに固まる訳じゃない。革のしなやかさのままで強度だけが上がる。


 軽い、動きやすい、普段も頑丈だが魔力があれば更に頑丈。それで体力の無い奴が多い魔法使い用の装備として人気なんだよ。


 ……コイツはかなり前に持ち込まれた革で鎧を作った余りの革で作ったんだ。微妙な量しか無くてな、お前みたいな子供用のサイズしか作れなかったんだ。


 そのせいで普通の冒険者にはサイズが合わねぇし、かといって子供の冒険者はこれを買う金を持ってねぇ。材料がないから継ぎ足してサイズを変える事も出来ねぇ。で、もう2年売れ残ってるんだ。金があるならこっちを買ってくれるとありがたい。品は格段にこっちの方が良い」


 確かに聞いた感じこっちの方が断然良さそうだ。 ギルドマスターの薦めた店だし、品質やぼったくりの店ではないだろうし……


「分かりました、ハードリザードの革鎧でお願いします」

「そうか、助かる。武器と鎧、合わせて丁度小金貨10枚だ」


 俺はアイテムボックスから小金貨の袋を出して支払う


「確かに」


 男が差し出した短剣とナイフと鎧をアイテムボックスにしまう


「ありがとうございました。また何かあったらここに来ます。リョウマ・タケバヤシと申します、よろしくお願いします」

「店主のダルソン・ディガーだ、無茶をせず、手入れをしっかりすれば長くその鎧でやっていける筈だ。お前の体が成長して合わなくなるまで使っていたら、また鎧を買いに来い。その時は多少サービスしてやる」


 その言葉に礼を言い、俺は店を出て宿に帰った。

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