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聖女召喚に巻き込まれた就活中の一般人、具現化スキル『テント』で異世界を東奔西走!  作者: 藍銅 紅@『前向き令嬢と二度目の恋』2巻 電子2/10


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第52話 サポート要員のつもりだったのよ、わたし

サポート要員のつもりだったのよ、わたし。


主役は、聖女として召喚されたカリンちゃん。

そのカリンちゃんだって、四か所の宝珠を治せばお役御免だって感じで。

三か所はなんとかなりそうだから、あと一ヶ所でオッケー。


じゃあ後は、日本に戻って、個人的な問題を解消する……と思いきや。


いきなり、わたしが勇者でした……なーんて、爆弾をいきなり投げないでよ神様!


「と、とりあえず、カリンちゃん」

「はい、お姉様」

「夢は、夢ということで。いくら二人で同じ夢を見たからって、それが本当のこととは限らないということで」

「はい」

「この話は二人きりの秘密……」

「はい! アイリスお姉様!」


ありゃ? カリンちゃんが、ふふふふふ~って、すんごく嬉しそうに微笑んだ。


「あたしとお姉様の二人きりの秘密……。嬉しい……」


わあ! 百合の花が咲く? 違う?


「仲良しの女友達と二人きりの秘密なんて……、夢だったわ~」


あー、カリンちゃん、真っ当な女友達、できない環境だったものねぇ。うんうん。


とにかく秘密にしておいてもらえればいいかー。


あー……。


勇者とか言われると、この世界で就職なんて気が薄れますね……。荷が重い……。世界なんて背負えないよ。わたし、自分の就職問題と結婚したくない問題で精いっぱい。異世界を救うとか、勇者とかなんて完全にキャパオーバーです。


四か所の宝珠を治して、日本に帰って、わたしお父様やお母様と対決ね!

就職先、地元で探さないで、カナガワとかトーキョーに出よう。うん、そうしよう。


元々、そう決めたんだしね。

お父様とお母様と対峙するために、この世界でカリンちゃんを助けて、心も鍛えて。

優太お兄様とは結婚しない。

お父様とお母様の意に反しても、自分の道を歩く。


「とりあえず、あと一ヶ所。北の宝珠を治して、それで、カリンちゃん、一緒に日本に帰ろう」


カリンちゃんが「はい!」って答えてくれた。


「日本に帰ったら、あたし、まずお姉様の北九州まで行きますねー」


にっこにっことカリンちゃんが笑う。


「あ、いや。わたしがカリンちゃんのほうに行くよ。ヨコハマとかトーキョーとか。そっちで就職先見つける」


「お姉様! いいんですか⁉」

「うん、だって、芸能活動するなら、カリンちゃんは首都圏のほうが有利でしょ。それにわたし……家族とか縁を切ることになるかもしれないし」


結婚はしません。ごめんなさい。

親の決めた道は選びません。

今まで育ててくださって、ありがとうございました。

優太お兄様も、わたしと結婚とかじゃなくて、ご自分が愛する相手を見つけてください。お父様とお母様をお願いいたします。


四十九回目の就活失敗。

そして、この異世界召喚。


それを糧に、わたし、新しい場所で、新しい人生を歩む。


大丈夫、一人じゃない。

大切なお友達が出来た。


「そのためには最後の一つ、北の宝珠もがんばって修復しよう!」


カリンちゃんと手を取り合って。

がんばろー、おーって言ってみたけど。


北は……北の宝珠は……、氷原にあるとのことでございました……。寒そう……。






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