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聖女召喚に巻き込まれた就活中の一般人、具現化スキル『テント』で異世界を東奔西走!  作者: 藍銅 紅@『前向き令嬢と二度目の恋』2巻 電子2/10


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第51話 七人の神様

七人の神様。なんて言うと、純日本人のわたしは七福神を連想してしまうんだけど。

こちらの異世界の神様は、七福神とは違う。

白い巨人。

みんな、のっぺりとした、大理石でできた石像みたい。


この世界の神話とか、ちゃんと聞いたわけじゃないし。

ジョナサン君から聞いた話程度。

あ、あと曜日の神様ね。


七人かと思ったんだけど。


わたしが見た夢の中では十二人いた。


ご夫婦が一組。で、そのご夫婦が神として崇め奉られている感じ。

後の十人は使徒的な感じ……?

それぞれの部族の代表の十人が、神様夫婦に仕えている……のかな?


そのあたりは分からないんだけど。


ある時、神様夫婦の旦那様のほうが、魔的なものに侵されて、お亡くなりになった。

亡くなった場所が、このフィッツジェラルド王国の場所で。

で、魔的なものに侵された神様の旦那様のご遺体を苗床に、魔物がポコポコと生まれてきて。


神様の奥様のほうが、それを封じた。

でも、力が足りなくて、三人の使徒様のお力と共に、奥様は東の山の山頂に、他の三人の使徒様は南、西、北の三か所の島に。

ご自分たちのお体を宝珠に封じて。

旦那様の遺体がこれ以上、魔物を産まないようにって。

ずっとずっと……四人でがんばって、守っているの。


でも……、ずっと守っているといっても……、永遠になって無理。

その安全装置みたいなのが、残りの七人の使徒様みたいな神様たち。


こっちの七人の名前だけは、人間の……フィッツジェラルド王国の人たちにも伝わって、曜日の神様になったけど。


本当なら、神様ご夫婦と結界島に宝珠になっている三人のほうの名前が残るべきだよねえ。

でも、神話レベルの昔の話だから。そちらの名前は残ってはいない。


そのうちの、ずっとずっとずっと先の未来では。

宝珠になった神様と使徒様の力もなくなるの。

七人の曜日の神様たちが、聖女を異世界から呼んで、壊れた宝珠を修復することもできなくなって。


いつか、魔が、神様の旦那様の身体を苗床に、育ってしまうのだろう。

この、平和な世界が、いつか、魔物だらけになるのだろう……って。


幸い、それは、今じゃなくて。


きっと、何百年、何千年も先の話。


今は、宝珠が壊れたら、修復して……って、いうのを繰り返しているところ。


だけど、前回からカリンちゃんが召喚されるまで、三百年。


神様たちの力を受けて、宝珠を修復できる人材も、簡単には見つけられなくなっている。


それから……。

ちょっと冗談じゃないくらいのお告げを、神様がしてきた。



……そんな感じの、壮大な夢を。わたしは何故だか見て……、見せられたのかもしれないけど。


眠って、起きて、あんまりな夢の内容に、テントの中でぼーっとしていたら。


「お、お姉様……、変な夢、あたし、見て……」


カリンちゃんも、起きてきた。


「どんな夢、だった……?」


思わず、聞いた。


「あの……、神様が出てきて……。お、お姉様が、勇者だって……、白い巨大な神様が言って……」


……どうやらカリンちゃんも、わたしと同じ夢を見ていたらしい。


神様が、封印を施している、この地。


何百年もの間に壊れて、修復して、を繰り返してきている宝珠。

その修復のために呼ばれた聖女。


長い歴史の中で、カリンちゃん以外にもたくさんいる聖女。


で……、聖女と一緒に召喚されるのが勇者。

そう、勇者。

聖女のサポート要員じゃなくて、勇者。


……わたしが、勇者?


まさか!


剣を持って、魔となりかけた神様を倒すとか。

魔、そのもの自体をなくすとか。


そんな無理でしょう!


だって、わたしのスキルって、テントだよ、テント!


体力回復とか、頭痛とか火傷とか、治せると言っても、所詮テント!


勇者の剣、エクスカリバーとかの聖剣なんて持ってないし、身体強化だのなんだの戦闘系スキルなんかも全然ないのに!


テントスキルの勇者って、一体全体どういうことーっ!


……いや、待って。

冷静になってよ、神様。


魔を封印した。

けれど、その封印をしている宝珠は、長い月日のうちに経年劣化だか何だかで壊れる。

だから、聖女を召喚して、修復する。


ここまでは良いよ、ここまでは!


魔を封じるためにか、滅ぼすためにかどうかは知らないけど。


聖女と共に、勇者も召喚する。


まあ、いいよ? 

ラノベでよくある展開ですね?


だけど、その召喚した勇者のスキルが、聖剣を使えるとか、魔術を使えるとかじゃなくて、テントって……ちょっと、ショボい。

って、いうか、テントでどうやって魔を封印なり消滅なりさせられるんだ!


無理無茶言うな!


とりあえず、カリンちゃんという聖女をサポートして、また何百年かリニューアルした宝珠で、がんばって、この王国を守ってもらって。

次か、その次とかの聖女と勇者に魔を消滅してもらえってコト?


仮にわたしが勇者だとしても、それでいいよね?


わたしとカリンちゃんは云わば中継ぎで、宝珠を修復したら、この世界からさよーならーでいいんだよね?


そのうち、真の聖女と真の勇者が、何百年後か何千年後か知らないけど、現れて、きちんとこの世界を救うという壮大なサーガ展開になるんだよね?


わたしとカリンちゃんは、物語が始める前の、世界設定説明のあたりで、一行か二行。


「神が死に、魔をその身に宿した後。数人の聖女と数人の勇者がその魔を滅ぼさんとした。が、それは叶わなかった。幾人もの聖女と勇者が魔と対峙し、破れた後。ようやく真の勇者が現れた……」


とかなんとか。


そんな伝説の中の数人の聖女と数人の勇者、と一まとめにされているのがわたしとカリンちゃんだよね⁉


そうじゃないと無理だよ!

テントなんてスキルで無理無理の無理を言うなっ!


いやいやいやいや、この世界を救おうなんて、そんな壮大なお仕事、無理です。

いくら就職に困っていようが、無理。

世界を救うくらいなら、ブラック企業に勤めたほうがまだマシです。

ブラックなら逃げることはできる。

でも、世界を救う勇者役からは逃げられないじゃない!

あ、逃げられる?


とりあえず、四つの宝珠をなんとかして、元の日本に戻ったほうがいいのか⁉


世界を救えなんて、むーーーーーーーりーーーーーーー!








お読みいただきましてありがとうございました。


こちらの『テント』話の他に、『やっとたどり着いた ~オードリーの生きる場所~』という連載も始めました。

あわせてお読みいただけると嬉しいです。


『前向き令嬢と二度目の恋 ~『醜い嫉妬はするな』と言ったクズ婚約者とさよならして、ハイスペ魔法使いとしあわせになります!~』2巻も電子書籍にて間もなく発売! 



よろしくお願いします。

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