第47話 このあたりの溶岩の下に、宝珠があります
「このあたりの溶岩の下に、宝珠があります」
そんなことを言われても。魔法を有していないわたしやカリンちゃんにはわかりません。
きっと、この場所は、このまま何百年も放置しておけば。
風化の進んだ下部流動角礫岩と風化に耐えて突出した塊状部が見えており、その下部には柱状節理が、上部には板状節理が発達しています。
……みたいな感じの岩場的になるんだろうけど。
更に言うのなら、テレビのニュースでよく見るような、オレンジ色のマグマの流れとか、煮えたぎる溶岩湖とか……でも、ない。
もう、オレンジ色のマグマは見えなくなって、溶岩流が冷えて固まっているようにも見えているんだけど……。
地面の、というか、山肌の、あちらこちらから煙が立っています……。
地面も、地熱が結構熱いんじゃないのかな……。
表面は固まっているけど、内部はまだ熱いよー……そんな状況。
ナイジェルさんが、とっとっとって感じに、気軽にその煙が上がっているあたりに歩いて行って、
「この真下です」
っていうけど。
「ナイジェルさんっ! 火傷しませんか! 熱くないんですか⁉」
ナイジェルさんはにこっと笑った。
「ああ。魔法で体の周りに補助をしておりますので。高温でも大丈夫です」
えーと、結界とか? 違うか、ガード魔法?
高温でも火傷はしない?
「それ、わたしとカリンちゃんにも……」
「既に耐熱魔法をお体にかけさせていただいております。ご安心ください」
あ、耐熱魔法というのですね。なるほど、さすがナイジェルさん仕事早い!
いつの間にかけてくれていたの!
まあ、でもありがとうございます。
「岩石には直接触れないでくださいね。耐熱魔法でガードできないほどの高温も……」
マグマ……。多少温度は冷えているとはいえ、確実に百度以上ですね、うん。
うーん、ではどうしましょうかねえ。
「宝珠の位置は特定できるんですよね」
「ええ。お見せいたします」
ナイジェルさんが、わたしに「こちらへどうぞ」と言ってくれたので……、トコトコトコと、側に寄ってみる。
ナイジェルさんの前に立つ。
「では、アイリス様、地面の方を見てください。地面の中を覗き込むような感じで……」
言われたとおりにじーっと、地面を見る。
すると……。そっとわたしの肩に、ナイジェルさんが手を置いて……。
「わ、わあああ……」
なにこれっ! 地面の下が透過して見えるっ! 地面がガラスの床に変わったみたいっ!
「白く光っている球体が見えますか?」
「はい……」
なんて表現すればいいのか、レントゲン写真みたいな感じで、わたしが今立っている地面が黒く見えて。足の下……地面の中、一メートルくらいのところにぼわーっと光る白い球体が見える。
う、わ。うわあああああ……。
わたしの肩からナイジェルさんが手を離すと、その白い球体は見えなくなって、フツーの地面が見えた。
「カリン様も」
「は、はい!」
わたしと同じように、カリンちゃんもナイジェルさんに、地面の下の宝珠を見せてもらっている。
「うそぉ! 見えるっ!」
分かるわ、驚きだよねえ……。
あ、驚いている場合じゃないや。
わたしはカリンちゃんに聞いてみた。
「カリンちゃん、知覚していれば、触らなくても、宝珠を修復できる?」
「うー……、難しいと思う。やっぱり手で触れないと……」
だよね。
じゃあ……、こういう手段はどうだろう?




