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第45話 しばらく養生して

しばらく養生して。何とか起きて、食事をとれるようになったのが七日後。


カリンちゃんは、ずっとわたしの側にいるし。

ジョナサン君も食事を持ってきてくれたりするし。

イグニス副団長は、忙しくあれこれ采配したり、ナイジェルさんたち探索部隊と連絡をしているみたいだけど、毎日わたしの様子を見に来てくれている。しかも、お見舞いにって、山の植物まで摘んできてくれるの! 


「王城の庭園のような美しい花ではありませんが……。少しでもアイリス様と聖女様のご気分がよくなれば」


なんてありがたいの。さすが、気配り副団長!

ウンランとか、メマツヨイグサみたいに黄色くてかわいい花。活火山で花を見つけるのなんて大変だろうに。でも嬉しい。カリンちゃんもお花を見るとちょっと笑顔になるしね。


一番お世話になっているのが護衛のマグノリアさんとカメリアさん。体を起こすときも支えてくれるし……。何より、ご不浄に行く時ね……。二人がかりで連れてってくれる……。護衛というより介護要員! ホント申し訳ない……。


ありがたくもお世話になって、なんとか普通に寝起きができるようになっても、カリンちゃんは謝って来るし。


いや、カリンちゃんのせいではないと思うのよね。わたしが聖女の力を発動中のカリンちゃんに触れなければよかったのよ。


「そういえば、カリンちゃん、頭痛は?」

「あ、あたしは二日くらい頭痛かったけど……」

「わたしが十日、カリンちゃんが二日……。でも、痛んだのか」


テントの中で聖女の力を使えば頭も痛まないかもって考えは駄目だったらしい。


わたしのほうが長引いたのは、慣れていなかったのか、それとも……。


「カリンちゃん。二日間、頭痛していたとき、白くて大きい神様みたいなの見た?」

「え? 神様……?」


見ていないか……。

ということは、二日と十日の違いは、神様に会っていないか、会ってしまったのかの違いかな……?

精神、削られた……?


うーん、分かんない。


まあ、わたしが見たものとかの検証をしていきましょうか。


まず、あの白い巨人って何なのか。

単に夢を見ただけ……とは思えないのよねえ。


んー……。

ちょっと考えている時に、ジョナサン君が「お食事ですよー」って、わたしとカリンちゃんの分の食事を持ってきてくれた。今日はパンにスープ。粗食といえば粗食だけど、山の中のテント暮らしでは、温かいというだけでもごちそうよね。まあ、活火山にいるからか、全く寒くはないんだけどね。


ジョナサン君に「ありがとう」と言って、食事を受けとる。


「あ、そうだ。ジョナサン君に聞きたいことがあったんだ」

「僕ですか?」

「うん。っていうか、白の魔法師団の皆様だったら誰でも詳しいと思うんだけど。フィッツジェラルド神聖王国の神様とか、信仰とか」

「え? 神様ですか?」

「イマサラだけど、ちゃんと聞いたことなかったなあって思って。えーと。曜日に神様の名前が付いているっていうのは聞いたことがあるんだけど……」


日曜日がスンダークの日。月曜日がマンダークの日。ティーシュダークの日、オンスダークの日、トーシュダークの日。フレイダークの日で、土曜日がロールダークの日。


「たとえばスンダークってどんな神様? マンダークは?」


確認しておきたいのよね。わたしが見たあの巨人がもしも……。


「ああ。白き神々ですね。スンダーク神もマンダーク神も、僕たち人間とは異なり、巨大なお体をお持ちで、フィッツジェラルド神聖王国を守ってくださっているのです」


ジョナサン君が、両手を胸の前で組んで、祈りを捧げている。


「我が国の四つの宝珠は、七人の神々が作ったと伝えられています。宝珠があるからこそ、我が国は魔物の被害もなく、火山の害もなく、平穏な暮らしを約束されています」


宝珠を作った七人の神様。しかも白き神。

……やっぱり、わたしが見た白い巨人は……この国の神様か。

とすると、彼らの言った言葉は……。


「ありがと、ジョナサン君。なんとなくわかったような気がする……」


推測でしかないけど。


この世界には、七人の神々がいる。白くて巨人。彼らは四つの宝珠を作ってフィッツジェラルド神聖王国を守っている。

でも、宝珠は経年劣化なのか、なんらかの理由があって、壊れた。

壊れた宝珠を直せるのは聖女だけ。

聖女はこの国ではたまに現れるらしいけど、ここ三百年くらいいなくて。で、いくら待っても現れないから、別の世界から召喚した。それが、カリンちゃん。

わたしは巻き込まれたと思っていたけど。もしかしたら、あの神様たちが、異世界からの聖女ってことで、サポート役であるわたしを一緒に召喚したのかもしれない。

日本という異世界に暮らしていても、こちらの世界に来て、聖女のサポートができるスキルを発動できる存在……が、わたしだったとかいう理由で。


予測と妄想とラノベでありがちな展開を混ぜた推測。


でもなんとなく、大きくは外れてはいない……と思うんだよね。


とにかく、あの神様たちは、なんらかの理由で、この国を守っているんだ。大きすぎるから、力もありすぎで。力の差がありすぎて、神様たちに接すると頭痛がするのかもね。


で、えーと? 国を守るためには、宝珠がいる。必要。でも壊れた。だから修復するための聖女が必要。


聖女は……、宝珠を、過去に戻して、それで修復状態にしているのかも。だから、過去を見る……?


推測しかできないけど。

考えることが必要だよね。


……優太お兄様のことも。


何かいっぺんにまるっとしあわせになる方法でもあればいいのになー。無理かなー。


なんて思いながら、受け取った食事を食べていく。


もそもそ食べていたら、なにやらテントの向こうが騒がしくなってきた。


何だろうと思ったら……、ナイジェルらしき声が聞こえてきた。


「あ、帰ってきたのかな? 宝珠が見つかった?」


テントの布越しに聞こえる声は、不明瞭で。ジョナサン君も気になったらしく、


「あ、僕、様子を見てきます。聖女様とアイリス様はそのままお食事をなさってくださいね!」


フットワーク軽いなあ、ジョナサン君。助かる。


とりあえず、もそもそ食事を継続。カリンちゃんも外の様子が気になるのか、ちらちらと視線をテントの出入り口のほうに向けながら、パンをかじった。


しばらくして、すごく困った顔のジョナサン君が戻ってきた。


「どうだったの?」

「それが……、宝珠がある場所というか、ありそうな場所はわかったのですが……」

「うん? 見つかったんじゃないの?」

「どうやら、溶岩の下のようで……」

「はいぃ?」


どういうこと?





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