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第29話 あまりに巨大な生物を見て

 あまりに巨大な生物を見て、わたしは無になった……。

 というか、茫然。

 カリンちゃんも「ぽかーん」と口を開けて、海を見ている……。


「お、お姉様……、巨大トビウオ……」

「うん、トビウオにしか見えないけど、クジラサイズだよねアレ……」


 ぽかーん、ぽかーん、ぽかーん……。


 目が点になっているわたしたち。

 だけど、青の騎士の皆様は、皆さんてきぱきと設営準備……。

 砂浜の上に、海の家みたいなものをどんどん作っていく……。


 あ、あれ?

 わたしたち、海水浴に来たんだっけ……?


 思わず思考が現実逃避。


 その間に、巨大トビウオ目がけて……、ええと……、太古の海に存在したとか言われているメガロドンっていう超巨大怪魚によく似た感じの海の魔物が……、ぶわーん、ざぶーんと、水面から飛びだして、大きな口を開けて、トビウオを捕食しています……。


 波が寄せてくるけど……。


 砂浜も、幅がかなりあるので。

 青の騎士の皆さんが設営している海の家までは全然波は来ない。

 大丈夫みたい……。


 しかし、これ、どうするの……?

 この海の上を船で渡ったら……、トビウオアタックを受けただけでもきっと船は沈むよね。

 ましてや超巨大怪魚なんて……。

 わたしたち、海の藻屑になるんじゃないの?


 マグノリアさんとカメリアさんも「うわー、話には聞いていましたが、西の魔物は大きいですねえ」なんて感心しているだけだし。

 あ、やっぱりこの巨大海洋生物って魔物なのね。

 で、あの……。魔物が飛んでいる海を渡って、島に行くの? 行けるの?


 しばらく呆然としていたら。


 イグニス副団長がようやくあちらこちらの指示出しが終わったのか、わたしたちのほうにやってきた。


「お待たせして申し訳ありません。とりあえず、拠点を作りますので、出来ましたら、そちらのほうで、聖女様とアイリス様はお休みになってください」


 きりっとしたイグニス副団長はやっぱりかっこいいですね……なんて、言っている場合じゃない。


「あ、あの、海の家……、じゃなかった、拠点で休むのは良いんですけど……。この海、渡るんですか?」


 巨大海洋生物の運動会、絶賛開催中のこの海、渡る方法でもあるんだろうか?

 気合いでGO! なんて無理でしょう。人間には限界がある。


「はい。海の魔物たちが苦手な香りというものがありまして。それを焚いて、奴らが逃げた隙に小舟を出して島に渡ります」


 マジですか!


「その香りを出す香木を王都からこちらに運んでいる途中でして。島に渡る小舟もほぼ出来ているのですが……」


 見れば、砂浜の上には、ボートみたいな小舟がいくつも置かれている……。

 だ、大丈夫なの、これ……。


「こ、香木……。そんなので、魔物が逃げるのですか……」

「文献によれば、ですけどね」


 文献! 検証実験はしていないんですね? 寧ろわたしたちが検証するんですね⁉


「文献が間違っていたらどうするんですか!」

「その場合は、地下通路を通って島に渡ります」


 え、あるの? 地下通路なんて、便利なものが。


「ただ、地下通路は、使わなくなって久しいので。どのような生き物がはびこっているか……」


 待って。

 ネズミとかカニとかならともかく。

 魔物の巣窟になっている地下通路とかだったら。


 嫌ああああああっ!


「香木の効果がない場合に供えまして、今、ナイジェルが、青の騎士数名と白の魔法師数名を引き連れて、調査に向かっております」


 うううう、ご苦労様です……なんて。

 生きて帰って来てね、ナイジェルさん……。


「あの、調査チームの皆様、帰って来たら、是非、わたしのテントで休息を……」

「お気遣いありがとうございます!」


 爽やかな笑みを残して、イグニス副団長は去って行きました……。


「か、カリンちゃん……」

「お、お姉様……」


 わたしたちは、ひしっと手と手を取り合った。


「香木……効果があるといいね」

「何がいるか分からない地下通路……、通りたくない……。蛇とか、いたら、嫌……」

「地下通路に居そうなファンタジー系魔物……。ゴブリンとか? 絶対に嫌……」


 ぶるぶると震えあがりました……。


 数日後、ナイジェルさん率いる調査チームが帰ってきました……。

 着ている服とかマントとか、どろどろのぐちゃぐちゃです……。

 お、お風呂入ってください。

 五右衛門風呂だけど。


「西の島まで、地下通路は通ることが出来ました。ただ、粘液を分泌する系の魔物の巣窟になっていましたので。一応、掃除はしておきましたが……」


 粘液を分泌する系の魔物……。

 そ、それってスライム……では……。


「あの、その魔物って、掃除しても掃除してもまた増える系ですよね?」

「よくご存じですねえ。ええ、一体でも取り残せば、すぐ増えます。対して強くはない魔物なので、我が白の魔法師団の力でなんとか吹き飛ばせますからご安心を」


 巨大海洋生物がうようよしている海の上を、香木を焚いて、小舟で進む。

 もしくは、スライムの巣窟になっている地下通路を歩いて進む。


 その二択しかないんですね?


「か、カリンちゃん……、どっちがマシだと思う?」

「どっちも嫌あああああっ!」


 ですよね……。



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