第28話 お父様を何とか説得して……
「お父様を何とか説得して……、優太お兄様との結婚だけは無理と……、ああでも、お父様とお母様、悲しんじゃう……」
この異世界で。
宝珠修復なんてことで。
逃げていられるうちはいい。
終ったら、わたしどうするかな。
カリンちゃんと一緒に日本に帰る。
このままこの世界で生きる。
選択肢はあるけど、どちらかを選ぶだけの、決め手がない。
この世界で生きることを選択したら、就職活動、もうしないでいいよねーとかも思うんだけど……。
「ちょっとカッコイイなー程度じゃなくて。情熱的な恋愛、燃え盛る炎! くらいの勢いで、誰かに恋でもすれば、この世界で生きますなんて、問答無用で突き進めるのかな」
あー、分かんない。
「うん、まあ、まだ一つ目。あと三つ。考える時間はある……」
「そうね、新たなる出会いとかあるかもしれないし」
「うーん、どうかなー」
発展性のない話をできたのも、西に海に着くまでだった。
西の海には魔物がいるらしい。しかも、かなりの大物が……。
だから、南の島から西の島へ、直接船で行かなかったのか……。
海の魔物で、大物……。
「有名どころでは、リヴァイアサン、ヒュドラ、クラーケン……」
わたしの世界の伝説上の生き物とか、ゲーム内の魔物だけどね!
リヴァイアサン。
ベヒモスと二頭一対を成す海の生物。旧約聖書に登場。ベヒモスが最高の生物と記されるに対し、リヴァイアサンは最強の生物と記される。その硬い鱗と巨大さから、いかなる武器も通用しない……。
ヒュドラ。
ギリシャ神話に登場する沼に住む多頭の巨大な水蛇。首の数は五つとも百とも言われている。一本切ってもすぐに二本生えてくるっていうから恐ろしい。
クラーケン。
北欧伝承の巨大なイカ・タコのような怪物。
どのタイプでも嫌だな……。
で、西の海に到着したら……。
海の、砂浜からでもよく見える。
びっちびちの、魚たち……。
海の上を跳ねているのよ……。
びょーんびょーんって、跳ねているっていうか飛んでいるっていうか……。ざぶーん、ざぶーんだ……。
海面をジャンプして、滑降して、また海に潜る。
「と、トビウオ……?」
姿形は、トビウオそっくり。
魚の形で、ヒレを翼みたいに広げて飛ぶ。
で、そのトビウオに似た魚だけど……。
「お、大きい……」
遠目に見ていても、よくわかるその姿は、多分クジラサイズ。
クジラサイズのトビウオが、海面を、飛ぶ。
怖いを通り越して、呆気に取られるキングサイズ……。
い、異世界だわ……。
何で飛ぶのかって言ったら……、その理由は地球のトビウオを多分一緒。
外敵に追われたとき、飛んで逃げる。
そう、巨大なクジラサイズのトビウオを捕食する、更に超巨大な何かが海の中には居るということで……。
その影が……見える……。
クジラサイズのトビウオが仮に二十メートルくらいだと仮定する。
ええと、奈良の大仏くらいか、某機動戦士のアニメに出てくる白いロボットの大きさ……だから。
それをパクっと捕食する超巨大生物って……。
スカイツリーがええと、六百メートルを超えた高さ? そのくらいの大きさの魔物? さすがに大きすぎかな? 半分くらい?
「こ、この海を通って、西の結界島に、どうやって行けと言うの⁉」
無茶言わないでよおおおおおおお!




