短編 暗い道を歩きながら
掲載日:2025/10/23
秋を感じる涼し気な夜、ただ繋がる道を歩きながら、鼻腔を刺す金木犀の香りに酔いしれてアルコールを流し込む。
こんな夜にはドビュッシーの月の光がお似合いで、バッテリーの少ないイヤホンを両耳にただ目の前の道を歩く。
すれ違う人達は何を思いながら歩くのだろう、橋から見えるあの電車に乗る人たちは何を思いながら生きるのだろう
私の静かな休日は誰の干渉も許さずただ静かにすぎていく
秋の肌寒さが心地よくて
今日を生きた私の時間にはなんの意味もないけれど、季節は素直に訪れて残酷に流れていく私の時間を感じさせてくれる。
何も無いこの煙い曇り空の下で、私は静かな月の光になりたい




